発展期にジャンプアップ! 7年連続1兆円規模 栗原署の用地費盛る(宮城県30年度予算案)
[2018/2/7 宮城版]
宮城県は2月6日、30年度予算案(当初)を公表した。一般会計の総額を1兆1206億1023万円とする方針。29年度当初比で8.5%減(1043億5192万円減)。東日本大震災後に編成した予算案では最小となるが、引き続き1兆円を超える規模になる見込みだ。30年度は宮城県震災復興計画で定める「発展期」の初年度に当たり、復興事業の総仕上げに向けて必要な事業費を積み上げた。
一般会計の投資的経費のうち、普通建設事業費は1981億6020万円となる見込み。道路や港湾の整備、土地改良事業などの減少により、29年度費で20.3%減少する(503億3139万円減)。震災前に編成した予算との比較では、依然3倍以上の高い水準をキープする見通し。災害復旧事業費は1077億5135万円で、同14.6%減(184億0992万円減)。石巻および気仙沼合同庁舎の完成、被災した県立高校の災害復旧が一段落したことを受けての減少となる。
一般会計のほか、特別会計4482億2707万円、準公営企業会計158億4327万円、公営企業会計269億1447万円を合わせた予算総額は1兆6115億9505万円。全体では同6.9%の増加(1038億2989万円増)となる。30年度からは県が国民健康保険の財政運営に責任主体として関わるため、特別会計が同89.2%増となることが予算案全体を底上げする格好だ。
建設関連の事業費では、栗原警察署(仮称)の新設に向けて用地取得費など5300万円を計上した。同署は老朽化している若柳警察署の建て替えに際し、築館警察署を統合して新警察署を設立するもの。35年度の開署を目標に整備していく。
警察署の事業費では、南三陸警察署や被災交番などの復旧費に4億4638万円を計上。建設している若林警察署(仮称)の30年度分の建設費に、25億0674万円を追加する。
名取高校(岩沼市)、宮城水産高校(石巻市)などの校舎改築事業には、57億9562万円を計上したほか、限度額13億9000万円の債務負担を設定。現在、両校の既存校舎の解体工事が入札公告されている。
旧宮戸小学校(東松島市)の跡地に移転再建する松島自然の家の本館建設では、復旧費1億3967万円の計上と、限度額20億6600万円の債務負担と設定した。東松島市が校舎などを解体後、県は30年度に敷地造成と擁壁の設置工事、本館・体育館などの建設工事を発注する考え。
このほか、三陸自動車道の整備促進に109億1640万円、みやぎ県北高速幹線道路の整備促進に54億3840万円、大島架橋など復興関連道路の整備費に223億1432万円を計上。県営漁港施設の復旧には161億5536万円を計上した。