30年度予算一般会計は1兆7288億円 リハビリセンター建替で基礎調査(千葉県)

[2018/2/2 千葉版]
 森田健作知事は、1日に開いた会見で、30年度当初予算案の概要を明らかにした。一般会計の総額は1兆7288億8100万円。29年度6月補正後の予算と比べて0.2%の増とする。建設関連では、老朽化する千葉リハビリテーションセンター(千葉市緑区)や、館山警察署(館山市)の建て替えに向けた基礎調査や基本設計に着手するほか、ネットワーク事業をはじめとする道路整備事業を「強力に加速」するとし、大幅な増額が図られる。

館山署は改築へ基本設計

 一般会計を性質別にみた投資的経費については、直轄事業負担金が、東京外環自動車道の6月までの開通が見込まれたことで約47億円の減となったものの、普通建設事業費の補助事業分が河川海岸津波対策事業や、漁港建設事業の増額で、約39億円の増。単独事業分もまた、衛生研究所の完成や、市町村による特別養護老人ホームなどの整備補助が減額となる中、道路整備費の大幅増や、警察署の耐震改修を進めるために約47億円の増となり、合計では対前年補正後予算比で約37億円(2.3%)増の1599億9100万円となる。

 このうち道路ネットワーク事業については、前年度の約489億円に対し、30年度は大幅増の576億円(うち債務負担行為約195億円)を計上する。圏央道インターチェンジへのアクセス強化に向け、銚子連絡道路と長生グリーンラインの事業中区間の整備の推進にそれぞれ10億円、11億8200万円を盛り込んだほか、これに続く新たな区間の事業化に向けた関連調査に着手するため、5420万円を計上する。

 環境影響評価と都市計画変更手続きを進めている北千葉道路の整備事業も、印西~成田間約21億7300万円、市川~白井間4億8500万円でいずれも増。交通安全施設整備事業が58億6000万円(29年度47億円)、舗装道路修繕事業72億円(同60億5000万円)、連続立体交差事業約65億1000万円(同62億7000万円)と軒並み増とするほか、除草により観光地へのアクセス道や通学路の安全確保を図る道路環境保全事業も20億5700万円(同16億5200万円)と4億円余増額する。

 道路以外でも、拠点漁港整備事業に約23億5800万円(29年度約7億9600万円)、水産基盤ストックマネジメント事業に10億2100万円(同10億1600万円)、公共土木施設等長寿命化対策事業に約60億6500万円(同約49億4100万円)など、多くの建設事業が増額となる。

 公共施設における新規の再整備事業をみると、昭和56年の完成で築36年が計画している千葉リハビリテーションセンターが老朽化している上、居室や訓練室のスペースが不足していることから、建て替えに向けた調査.検討に1850万円を計上。30年度は現施設の設備の課題抽出や民間病院の患者受け入れ状況、概算工事費の算出など基礎調査とともに、有識者らによる検討会議の設置や医療的ケア児の実態調査を計画。現施設の敷地面積は4万0394平方mで、建物はRC造4階建て延べ2万7189平方mの構造.規模となっている。

 新規のものではまた、老朽化に加えて狭あい化が著しいという館山警察署の移転改築に向け、基本設計委託料4751万円、用地測量・鑑定評価委託料148万円を計上する。

 移転先としているのは館山市北条の旧安房南高校跡地の一部としており、31年度の実施設計と、32~33年度の建設工事を計画。総事業費には26億1400万円を見込んでいる。

 県警の施設については館山署のほか、茂原、印西、都町庁舎の3施設で耐震改修工事に向けた意匠設計、市川、鴨川、成田、船橋東署の4施設で耐震改修工事を予定している。

 新規以外でも、県社会福祉センター(千葉市中央区)の移転改築に向け、29年度中にも委託する基本設計を継続するとともに、地質調査や土壌調査、移転先に残る旧施設の解体工事設計を予定。新施設は5階または6階建て延べ5400平方m以内で計画。32~34年度に施工し、34年度中の完成を目指す。

 また、現状の3館体制を1館に集約することが基本構想に盛り込まれた「新県立図書館基本計画策定事業」には1500万円を計上。今後の設計や工事を進めるための基礎とする。

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