過去最高536億円計上 こども園整備、充実 大網住宅建替えに設計費(登米市30年度予算案)

[2018/2/1 宮城版]
 宮城県登米市は1月31日、30年度予算案(当初)を公表した。一般会計の総額を536億6730万円とする方針。前年度予算案(当初)は市長選挙前の骨格的編成だったため、伸び率は15%増と高めになった。豊里花の公園内に建設する豊里こども園(仮称)の整備を本格化させるほか、大網地区での市営住宅建て替え事業を進める。

熊谷市長

熊谷市長

 予算案の内容は、熊谷盛廣市長が記者会見して明らかにした。昨年4月の市長選で初当選した熊谷市長にとって、自身が掲げた政策を実行するための初の当初予算編成だった。

 一般会計の投資的経費のうち、普通建設事業費は122億2720万円。新クリーンセンター(豊里町)の事業費約69億円など、大型の継続事業が多いため、前年当初比で2.5倍となっている。災害復旧事業費は前年当初と同額の6000万円を計上した。

 一般会計は過去最高だった28年度当初(488億6460万円)より9.8%増加(48億0270万円増)し、過去最高を更新する見込み。これに下水道事業など6つの特別会計と、水道事業など3つの企業会計を合わせた予算案の総額を、933億9740万円とする。前年当初比で7.5%増(65億1438万円)となる見通しだ。

 建設関連の事業費では、子育て環境の充実に資するこども園や児童館の施策が目立つ。豊里花の公園(豊里町)の一角を造成して建設する豊里こども園の整備事業には、設計や用地測量、地質調査の委託料などに5160万円を計上した。

 同園は既存の豊里幼稚園と豊里保育所を統合し、定員210人の認定こども園として設立を計画。当初は民間事業者を公募する予定だったが、公立のこども園として運営することに方針を変えた。本年度中に敷地約3400平方mを造成する工事を発注し、30年度から園舎の設計などを進める。工事着手は31年度を予定している。

 こども園の整備ではほかに、社会福祉法人ののぞみが実施する東佐沼こども園(仮称)の30年度分の建設費など計2億1954万円を補助する。つやま幼稚園の施設を改修して設立する津山こども園(仮称)の整備では、改修設計費など691万円を計上した。

 老朽化による大網地区の市営住宅建て替え事業には、実施設計の委託料や既存住宅の解体工事費など4627万円を計上。西大網住宅など3団地を集約し、4棟32戸を建設する。総事業費5億2400万円を投じ、32年まで3カ年で進める。

 老朽化対策では、築20年以上が経過した登米祝祭劇場の改修を進める。事業費は2億8953万円を計上。このうち、舞台音響設備のデジタル化改修工事費は2億7755万円。排煙オペレーターの修理工事には373万円を計上した。

 市は2日に開会する市議会2月定期議会に30年度予算案を提出する。

30年度の当初予算

30年度の当初予算

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