中央・通町公園の連携強化 30年度にも設計着手(千葉市)
[2018/1/24 千葉版]
千葉市都市局都心整備課は、中央区の中央公園と通町公園の連携強化に向けた取り組みについて、30年度は用地取得の手続きを継続するとともに、策定を進めている再整備計画を基にした、基本設計などに着手したい考えでいる。主に通町公園を中央公園側に延伸して連続性を高めようとするもので、29年度は地元説明会で住民の意見を取り入れるなどしながら、再整備計画をまとめる方針だ。
中央公園と通町公園の連携強化は、市により27年度に策定された「千葉駅周辺の活性化グランドデザイン」の先行整備プログラムにも盛り込まれているもの。千葉駅から中央大通りを抜け、中央公園や市文化センター、千葉銀座商店街方面が訪問目的となるよう、周辺施設への賑わいの起点となる機能の導入を図る。
ハード面では主に、中央公園と既存の通町公園の間に残る、現在はコインパーキングなどに利用されているスペースを活用。私有地となっている部分(三井ガーデンホテル千葉北側)の取得を図った上で、近接する千葉神社と、現在の千葉市の祖となった千葉氏などを想起させるデザインに再整備を図り、賑わい機能を強化させる方針だ。
地元から出された意見を含めてこれまでに出たアイデアとして、千葉神社の参道を感じさせる景観とするため、参道のような舗装や玉砂利敷き、神社への入り口を示唆するゲートの整備などのほか、既存部分の再整備も提案。イベントも可能なオープンスペースや黒塀など昔の通りの風景の再現など、市ではさまざまな提案について、再整備計画の中でまとめていきたい考えだ。
再整備計画の策定に向けて市は、昨年8~10月の公募型プロポーザルで、策定業務についてライフ計画事務所(千葉支店・千葉市花見川区)を優先交渉者に選定して委託。両公園周辺の現況を把握した上で課題を整理し、大テーマに中央公園と通町公園の連結強化、小テーマとして千葉神社や千葉氏など「千葉らしさ」を感じるまちづくりをそれぞれ掲げ、コンセプトは[1]参道を感じさせる景観デザイン[2]地域に親しまれる公園の整備──とした。
委託対象地の千葉神社に隣接する区画を、和風庭園など景観に配慮した空間とすること、さらに「中央公園を中心とした賑わい拠点の形成」についても視野に入れ、中央公園との連携や軸線も検討する。
並行して一部の用地取得に向けて市は、昨年12月の補正予算で、用地費5660万円と、工作物等補償費930万円を確保し、当初予算での用地費1億1500万円とともに繰越明許に設定。契約締結に向けた協議に着手し、3月にも契約を締結、コインパーキング用の機械など工作物の撤去完了後となる6月にも土地の引き渡しを予定している。
ソフト面ではまちを活性化させる交流サービスとして、来街者へのおもてなし対応や、まちの回遊性を強化するための千葉氏ゆかりの史跡回遊コースの整備や歴史・文化施設間の連携強化、外国語対応の案内サインによる情報発信なども想定している。