農林水産業の振興計画 年度内に個別方針策定(千葉県)
[2018/1/13 千葉版]
千葉県農林水産部は、30年度から33年度までの4カ年を期間とする「県農林水産業振興計画」をまとめた。今後は同計画を踏まえて、出先の農業事務所や林業事務所、漁港事務所で、個別に各地域特性を踏まえた「地域農林業振興方針」「地域水産業振興方針」が年度内にまとめられる。同計画内には26~29年度を期間とする現行の計画の進ちょく状況も示されており、農業産出額や漁獲量で未達成としたものの、28年度の時点で、多くの指標で目標を達成している。
同計画は、農林水産業の成長力の強化を図るため、生産地盤の強化・充実を図るもの。現行の計画では農業産出額について、23年度の全国4位から29年度に2位とすることが目標として掲げられているが、28年度の実績は4位で変わらず、海面漁業漁獲量も24年度の7位(概数)から29年度の目標を6位としたものの、28年度の時点で7位のままとなっている。
ハード面を含む指標の主なものについてみると、基幹水利施設の機能診断と保全計画の策定割合について、計画策定時の20%から29年度に33%とすることが目標だったが、28年度の実績として32%となり、進ちょく率は92%に達している。
農業水利施設の耐震点検は、計画策定時に5%だったものを28年度までに100%を達成。1㏊以上の大区画ほ場の整備については、目標とした2820㏊に対し2915㏊となるなど、進ちょく率は344%となった。
ビニールハウスなどの施設を26~29年度の4カ年で整備する面積では、目標とした40㏊の90%に当たる35.8㏊が28年度までに整備され、おおむね達成されているとした。
整備または再整備する集出荷貯蔵施設については、目標数として4カ所としていたものが28年度時点で2カ所となり、進ちょく率は50%となった。また、乾燥調製施設の新規導入と機能強化の件数をみると、現行計画策定時に1カ所だった件数が、28年度には11カ所となり、29年度の目標とした12カ所に現時点でわずかに及ばない11カ所で91%の進ちょく率となっている。
水田のほ場整備率についてみると、計画策定時の55.5%から29年度で56.3%とする目標に対し、28年度で56.4%となるなど進ちょく率113%を達成。30年度からの新計画では、33年度までに57.1%とすることが掲げられている。同様に、新規需要米の団地化面積は計画策定時の224㏊から400㏊にすることを目標としていたが、28年度時点で857㏊となり、進ちょく率は360%となった。
林業では九十九里地区の砂丘造成延長として、計画策定時の0.4kmから、27年度には12.6kmにするとしており、28年度に12.9kmとなり進ちょく率は102%。企業や団体などによる森林整備面積は、目標の250㏊に対して28年度までに253㏊に達し進ちょく率102%となった一方、海岸県保有林の整備面積は200㏊とした目標に対して28面年度までに100㏊に留まり、進ちょく率は46%となっている。
防災拠点4漁港での耐震強化岸壁の整備については、23年度の50%から28年度までに100%となり、目標を達成した。
30年度からの新計画では、主なハード事業として、銚子漁港で「高度衛生管理型」の市場を漁港と一体的に整備するとともに、漁船の大型化に対応するため、同漁港で浚渫や岸壁の整備など機能強化を図る。加えて漁港の荷揚げ能力の強化・改善を目的に、銚子漁港と勝山漁港について港内静穏度の向上を図るとしたほか、人家があるなど下流への影響が大きいと想定される「防災重点ため池」で、耐震・豪雨調査とハザードマップ作成の実施割合を現況の0%から100%とすることなどが盛り込まれている。