橋の下部工3件 公告 大震災後に初 総合評価を試行(石巻市)
[2018/1/11 宮城版]
石巻市は10日、橋りょう下部工工事3件の一般競争入札(事後審査)を公告した。特別簡易型の総合評価方式で落札者を決定する。総合評価の試行は大震災後に特例措置で見送っていたが、7年ぶりに再開する。総合評価の評価点は、価格が80点、価格以外が20点で100点満点。3件とも市内に本店を置く土木一式工事Aランクの事業者を対象に、23日まで参加申請書や総合評価の技術資料調書を受け付け、26日に開札する。
公告したのは「石巻工業港運河線道路新設および橋りょう下部工新設工事」、「七窪蛇田線橋りょう下部工新設その2工事」「釜大街道道線橋りょう下部工新設工事」。所在地や等級以外の参加資格は、土木工事業の特定建設業許可を受けていることや14年度以降に国や地方公共団体が発注した杭基礎方式による道路橋りょう下部工新設工事を元請施工した実績があることなど。
石巻工業港運河線の工事は、施工場所が門脇字四番谷地他。下部工で橋台工と基礎工を2基ずつ施工する。併せて、道路新設の路体盛土や路床盛土を進めるほか、プレキャスト擁壁工や排水構造物工などを施工する。工期は31年3月29日まで。予定価格は4億4617万4000円。
石巻工業港運河線は、三河町の河南石巻工業港線(臨港道路)から、蛇田字新谷地前の国道45号までに至る都市計画道路。途中で国道398号と交わる。計画延長は1450m。代表幅員は16m。398号から北側の670m区間は社会資本整備総合交付金(社総交)、南側の780m区間を復興交付金で整備する。今回公告した工事が初弾工事となる。
社総交の区間は大部分が道路新設で、一部が既存道路の拡幅となる。道路の詳細設計はセントラルコンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)がまとめた。終点部で交わる45号の手前に北上運河が横断しているため、橋長約37mの単純PCポストテンションT桁橋を架ける。今回の下部工はこの橋の工事。
七窪蛇田線の橋りょう下部工その2工事は、田道町1丁目他で、P1橋脚とP3橋脚の躯体工2基、A1橋台の躯体工1基、地盤改良工を進める。場所打ち杭の本数は計16本。工期は3月30日までだが、延長される見込み。予定価格は4億0040万4000円。
七窪蛇田線は、都市計画道路になっており、田道町1丁目の国道398号から、南中里町3丁目の市道中埣橋石巻大橋伊原津一丁目線まで至る延長570m区間が未整備のため、全幅15mで道路新設する。
未整備区間のうち、約300mはJR仙石線をまたぐ橋となる。同橋は、約260mが4径間連続鋼箱桁橋、約40mが2径間連続プレビーム合成桁橋。下部工は、A2橋台とP5橋脚の躯体工を瀬崎組(石巻市)が完成させたほか、P2橋脚の躯体工を日本製紙石巻テクノ(同)が施工中。P4橋脚の躯体工は、JR東日本に工事委託する。
釜大街道線の橋りょう下部工工事は、門脇字元捨喰他で、橋台工2基と基礎工2基などを施工する。工期は31年3月29日まで。予定価格は3億7632万5000円。
釜大街道線は、門脇字元明神の県道石巻港インターチェンジ線から、大街道東2丁目の県道石巻女川線に至る延長3580mの都市計画道路。全幅16mで整備する。全体のうち、中央区間の延長1810mは遠藤興業(同)が施工を請け負っている。
中央区間の前後は起点側が1160m、終点側が610m。起点側の北北上運河と、終点側のJR石巻貨物線の上には橋を架ける。今回の下部工は、北北上運河に架ける橋長51mの単純鋼製鈑桁橋の工事。