最終処分場に3候補地 八千代エンジで追加調査(石巻市)

[2017/12/29 宮城版]
 石巻市は、新たな一般廃棄物最終処分場の建設場所について、桃生・山田、河北・横川、石巻・南境の3地区を選んだ。各地区で順次、地元説明会を開催し、庁内組織の市一般廃棄物最終処分場建設候補地選定委員会で検討を進め、年度内に1カ所に絞り込む。候補地の絞り込みに向けては、八千代エンジニヤリング(東北支店・仙台市青葉区)で追加調査を進めている。

 建設候補地の3カ所は、いずれも林地の谷間で、ほとんどが民有地となっている。石巻・南境地区の一部には市有地も含まれる。処分場用地の必要面積は約8haを見込んでいる。

 市は5月下旬に同委員会を立ち上げ、これまで幹事会を5回ほど開いて候補地の選定作業を進めてきた。10月には同委員会の初会合を開き、3カ所を選んだ経緯や各地区の現状などを確認した。

 同委員会は、生活環境部長が委員長、生活環境部次長が副委員長を務め、他の部署の次長クラスが構成員となっている。昨年度に精査した選定条件を基に、地元住民の理解を得ながら最終候補地を選ぶ。

 市は本年度、「石巻市一般廃棄物最終処分場建設候補地選定に係る追加調査および循環型社会形成推進地域計画書策定業務」を八千代エンジニヤリングに委託した。同計画は、国の補助金申請に必要な書類となる。

 今後は、30年度に基本計画を作成し、31年度から2年かけて基本・実施設計をまとめるとともに、環境影響調査を進め、33・34年度で工事を実施、35年度までの供用開始を目指す。

 市総合計画の実施計画(30~32年度)には、最終処分場の整備事業費に今後3年間で2億2534万円を試算している。

 昨年度は、同社に最終処分場の適地選定業務を委託した。この業務では、特に条件などを設定せず、民有地なども含めて市内全域を調査し、適地の条件などを整理した。

 市の一般廃棄物処理基本計画では、現行の最終処分場が34年度に満杯となる見込みのため、埋立容量が約18万2000立方mの新処分場が必要であるとしている。新処分場は、現在稼働している4つの最終処分場と、すでに閉鎖した河北地区の最終処分場を集約する施設で、供用予定年数が35年度からの15年間。年平均の埋め立て量は1万0150立方mを見込む。

 既存の最終処分場は、南境地区、河北地区、雄勝地区、河南地区、牡鹿地区の5カ所に設けられている。24年度で埋め立てを終えた河北地区以外の4カ所で、中間処理施設などから排出される残渣を埋立処分している。

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