じゃぶじゃぶ池改修へ設計プロポ(千葉県我孫子市)

[2017/12/29 千葉版]
 千葉県我孫子市手賀沼課は28日、手賀沼親水広場内のじゃぶじゃぶ池を中心とするエリアを改修するため、基本・実施設計の委託に向けた公募型プロポーザルを公告した。今年9月に公告したものの、応募がなかったことを受けての再公告で、履行期限は来夏まで延長。参加要件も見直した。事業を急ぐため市では積算根拠を示した上で、30年度中の補正予算で工事費が確保できれば、同年度内にも着工したい考えだ。

 この事業は、同広場により多くの来場者を誘致するため、池を安全で魅力的な施設に改修するのが狙い。契約額の条件には735万5000円(税込み)を設定した。

 参加要件は、市の入札参加者名簿に登載があることのほか、前回の公告時には水景施設の設計業務の受注実績について過去5年としていたものを過去10年に延長。再委託に当たっての条件を緩和したほか、前回の仕様書で池の付近に休憩ができる施設の整備を検討することとしていたが、河川法の関連により今回は「付近に保護者が休憩でき、見守れるような設備について配慮すること」に改めるなどしている。

 プロポーザルは30年1月15日まで質問を受け付けた上で、企画提案書は1月29日までの提出を求める。ヒアリングは2月2日に予定しており、同7日にも審査結果を通知する考えだ。

 提案に当たっては[1]衛生面と安全対策に対する具体的提案[2]改修工事費、ランニングコストをなるべく抑えるための具体的提案[3]魅力的でリピート率が上がるための具体的提案──の課題を設定している。

 27年7月に県から土地と建物を無償譲渡されたことを受けることになった市は同年3月「手賀沼親水広場等活用計画」を策定。同広場の拠点となる「水の館」で水環境の保全啓発を実施するに当たり、効果を発揮させるため、より多くの来場者を集める必要があることから、広場内にある「じゃぶじゃぶ池」を安全で魅力的な施設へと改修し、子どもやその保護者らの来場を誘致することで、水の館への来館も促し、手賀沼の水環境について学ぶ機会を増やすことを目的に、池の改修をすることにしたという。

 設計に当たっては、工事費を1億円未満とすることを条件とする。上流の小川部分も含め、河川法を確認した上で、来場者の安全面と衛生面を第一としたものにするとともに、子どもの好奇心を刺激するような遊具などの設置や、魅力ある内容にすることを求めた。

 設計に先立ち市は、水景施設などの調査業務を28年12月の入札で環境・グリーンエンジニアに委託。今年3月までにまとまった調査の結果では、市の要望である「子どもを遊ばせる」ためには水道水並みの水質を確保する必要があるとし、そのプランとしてA~Fの6案を用意。このうち、現在の生物ろ過槽を廃止して、ろ過機を地上部高台に設置するため、池の末端部にオーバーフロー桝を設けてポンプピットへ引き込み、循環ポンプで流れに、ろ過ポンプで地上部のろ過機を通して塩素を注入し貯水槽へ戻すというC案がふさわしいとされた。同案では工事費として5315万円を概算している。

 これらのほか、水の館や、その隣接地に整備中の多目的広場と、じゃぶじゃぶ池の間にある「堤防」にも言及。現況では両者の間に導線がなく、利用者らは遠回りをするか、強引に堤防を越えるかしていたが、今回の設計で導線を整備することも検討。河川法により堤防を削ることはできないため市では、手すり付きの階段やスロープの新設を計画しているという。

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