千葉中央・南部地区 27ha造成し、ふ頭用地(千葉県地方港湾審議会)

[2017/12/28 千葉版]
 千葉県や国土交通省、税関、市川市から袖ケ浦市までの東京湾沿岸市で構成する「千葉県地方港湾審議会千葉港幹事部会」(部会長・古川正美国土交通省千葉港湾事務所長)の第3回会合が27日に県庁で開かれ、現行の県港湾計画を改訂するための個別施設計画や素案が示された。千葉中央地区を中心に、大型船舶に対応できる港とするため、ふ頭の再編を図る。主なものでは、千葉中央ふ頭と出洲ふ頭の間27haを埋め立てて、ヤードを確保することなどが盛り込まれている。

 同計画は大型化するコンテナ船や自動車専用船に対応するため、航路や岸壁を増深して物流機能の向上を図るほか、不足しているヤードの確保のための港湾用地の確保とふ頭機能の再編、小型船溜まりの集約と再配置、旅客船桟橋の整備を方針とし、平成40年代前半を目標年次としている。29年度内に同幹事部会や専門部会で原案までを策定し、来春に見込まれる県地方港湾審議会で審議、来夏をめどに計画策定を図る。

 現在の千葉港の千葉中央・南部地区では、既存の岸壁の水深や延長の不足に加え、岸壁の非効率な配置による外内貿貨物の混在、近年の気象変動による静穏度の低下などが指摘されていたほか、取扱貨物の増加に伴う背後のヤードの不足や、クルーズ船を係留できる岸壁がないことが課題として挙げられていた。

 これらの解決に向けて具体的には、外内貿コンテナふ頭として水深14m・延長330mと、水深12m・延長250mと2岸壁を整備。既存で8haしかないヤードも、約17haに拡張して今後の取扱量の増加に対応する。

 完成自動車用の外内貿ふ頭としては、そのコンテナ岸壁に隣接して集約。埋立・造成したふ頭間の用地と岸壁を生かし、水深12m・延長300mと同260mの岸壁を整備するとともに、約20haの自動車用ヤードを確保する。

 これらに併せ、分散して配置されていたRORO船のふ頭も集約。水深9m・延長220mと水深7.5m・延長180mの岸壁で船と貨物に対応させる。

 クルーズ船の寄港に向けては、既設の岸壁を改良。水深7.5m・延長240mの多目的岸壁を延伸整備し、旅客船「ぱしふぃっくびいなす」などの誘致を目指す。

 計画ではこのほか、千葉中央地区と千葉南部地区で、現在116隻あるという曳船や作業船といった小型船について、現在は4カ所に分散収容されているものを、造成に伴い3カ所に移転・集約。さらに港内の静穏化に向けては、千葉南部地区の入港口付近に延長400mの防波堤を新設させる。

 ふ頭内の土地の利用計画も見直し、緑地としていた0.6haを、庁舎用となる港湾関連用地に変更。さらに小型船に必要となる0.4haを確保するため、工事中の緑地計画も1.4haに縮小する。

 船溜まりについては、千葉北部地区(幕張エリア)でも計画。これまでの計画の延長450mの防波堤と小型桟橋1基の整備に加え、水深3mの小型桟橋4基を整備。放置された366隻の約半分に当たる182隻を受け入れて放置艇の縮減を図る。

 一方で、千葉港中央・北部・南部地区以外の▽葛南西部・葛南中央・葛南東部地区▽八幡地区▽五井地区▽姉崎地区▽北袖ケ浦地区▽南袖ケ浦地区──は規定計画通りとし、適切でかつ計画的な維持管理や補修を進めるが、貨物船や作業船の休憩や、飲料水や食料といった物資補給に多雨硫黄するため、既存施設を活用した施設を今回の計画で位置付け、葛南地区や五井地区、北袖ケ浦地区で既設施設を活用する。

 幹事部会当日は委員らから、空のコンテナ置場への対応や、旅客船の寄港見通し、さらに効率的なヤード用地の配置に対する質問・提案が出るなどした。

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