検討市民委で基本設計案 新庁舎 延べ1.3万平方m(千葉県袖ケ浦市)
[2017/12/23 千葉版]
袖ケ浦市庁舎整備検討市民委員会(委員長・鎌田元弘千葉工業大学副学長)の最終会合が22日、保健センターで開かれた。新庁舎の基本設計案が示され、施設規模は、建替庁舎2棟、大規模改修を施す既存庁舎あわせ延べ1万3137平方mを計画。年度内にとりまとめ、30年度に整備手法の検討を進める方針だ。基本設計は榎本建築設計事務所(千葉市中央区)が担当している。
庁舎整備基本設計案は▽庁舎整備の整備方針▽配置計画▽平面計画▽立面計画▽セキュリティ計画▽災害対策計画▽ユニバーサルデザイン計画▽工程計画──などで構成。
整備方針は▽防災拠点として、災害時に機能する庁舎▽市民サービスとユニバーサルデザインに配慮した、誰もが安心して利用できる庁舎▽市民活動の場として開かれ、人々が交流し誇りと親しみをもてる庁舎▽経済性を考慮し、環境にやさしい庁舎▽将来変化に対応できる庁舎──の5項目を定めた。
配置計画では、7階建て既存庁舎の北側に、SRC造5階建ての建替庁舎1期、南側にS造2階建ての建替庁舎2期を配置。建替庁舎は既存庁舎と接続し、一体的な利用ができる庁舎を計画している。
地域のランドマークとなっている既存庁舎を活かし、主要な庁舎入口は、既存庁舎の東側に配置する。建替庁舎2期は、2階建てとすることにより、南側駐車場への圧迫感を軽減し、周辺環境にも配慮した計画とする。
敷地内で歩車分離を明確にした安全な動線とする。建物の外周部は、歩行者用通路を計画している。駐車場は、建物形状にあわせた効率的な配置により、現状の550台と同程度の駐車台数を確保する。
平面計画をみると、「既存庁舎と建替庁舎1期の1階」を窓口ゾーン、「建替庁舎2期の全体」を市民協働ゾーン、「建替庁舎1期の3階」を災害対策ゾーン、「建替庁舎4、5階と既存庁舎4階」を議会ゾーン、「その他のフロア」を執務ゾーンとした。
延べ床面積は、建替庁舎2期1320平方m、既存庁舎6859平方m、連絡通路69平方m、建替庁舎1期4889平方mの計1万3137平方mを概算している。
建替庁舎1期の3階には、災害対策室やオペレーションルーム、関係機関調整室、危機管理課などの関係諸室を計画し、災害時に迅速で密な連携ができる配置とする。非常用電源設備や受水槽、汚水貯留槽などは、災害時7日間対応できる計画としている。
工程計画は4つの段階を提示。第1段階で附属棟(S造2階建て延べ1300平方m規模)と建替庁舎1期の建設、第2段階で既存庁舎の耐震補強・大規模改修、第3段階で既存旧庁舎の解体、第4段階で建替庁舎2期の建設を進める流れだ。
工事費など概算事業費は、精査しているという。基本設計案については、30年2月に市議会へ説明し、3月にパブリックコメントを実施する方針。年度内にとりまとめる予定だ。
想定スケジュールは、30年度に「従来方式」「PFI」「デザインビルド」「ECI」など整備手法を検討。31年度に実施設計に着手し、32年度の着工、35年度の完成を目指している。
出口清市長は、参加者に対し「さまざまな角度から皆さんの意見をいただくとともに、検討してもらい、基本設計案がまとまった」と感謝。「市民の思いがつまった、この設計案を最大限実現させたい」と意気込みを語った。
庁舎整備の基本設計策定に当たり、市民が利用しやすい庁舎を検討するため28年5月、学識経験者や住民代表者らで構成する庁舎整備検討市民委員会を設置。「市民サービスとユニバーサルデザインに配慮した庁舎」「市民活動の場に開かれた庁舎」などについて検討を進めてきた。
現庁舎は敷地中央に配置され、北側から新庁舎(SRC造地上7階地下1階建て延べ6198平方m)、旧庁舎・議場(RC造2~3階建て延べ2711平方m)で構成。各施設は接続されており、一体的な施設となっている。