自転車通行帯の整備促進 柏の葉で来年度にも(千葉県柏市)
[2017/12/12 千葉版]
柏市交通政策課は、27年4月に策定した市の「自転車総合計画」の一部を見直して公表した。28年7月に国土交通省が改定して公表した「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」に基づいたもので、自転車は原則車道の左側を走り、歩道は例外としたことを受け、モデル路線として3路線を指定。このうち柏の葉地区に自転車専用通行帯を来年度にも整備し、その効果や課題などを検証していくとした。
国交省は24年11月、「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を策定。この中では自転車道の整備を完全形態とし、暫定形態として自転車歩行者道の活用を検討するとしていたが、28年7月の見直しにより、自転車道として整備できない場合、自転車は車道通行を基本とし、自転車歩行者道に依存せず、暫定形態は自転車専用通行帯または車道混在を柔軟に組み合わせてネットワーク形成を加速させるとした。
これを受けて市は、自転車総合計画の基本的な視点として掲げていた「はしる」「つかう」「とめる」「まもる」の4つの側面のうち、「はしる」と「つかう」の部分を一部改定したとしている。
市では、歩行者と自転車の安全性の確保や、アクセスの容易性、自転車通行の快適性・利便性などを踏まえて、自転車ネットワークの計画対象路線を選定。市道約51km、国道約14km、主要地方道・県道約35kmの計100kmを選び、さらにこの中から「戦略的な展開を図るモデル路線」として3路線を抽出した。
市はこのうち、東武アーバンパークラインの新柏駅を発集拠点とする「新柏さくら通り」約1350m(標準幅員16m)で自転車通行空間の確保に今年度着手。通勤・通学・買い物などの自転車需要が高い一方、逆走など事故も多かった同線に対し、歩行者を分離し、車道混在の矢羽根型の路面表示とピクトグラムの設置を実施した。
30年度には続けて、都市計画道路3・4・9号葉山十余二線(県立柏の葉公園東)約1600m(標準幅員28m)を対象に、自転車レーンを設置する計画。つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅に近く、都市計画道路として自歩道は整備済みであるものの、歩道で歩行者と自転車の錯綜が見られることから、モデル路線として整備する。
この2つのモデル路線での検証を踏まえて市では、都市計画道路3・4・21号上大門向中原線(旧水戸街道)約720mでも、歩道のバリアフリー化に併せて、柏駅周辺の歩行者と自電車の通行を明確に分離するため、効果的かつ先導的な整備を推進するとしている。
柏の葉での整備は、28mの幅員のうち、両側の自歩道(幅7m)と緑樹帯(幅3m)は変えず、中央のゼブラ帯を撤去。車道を片側1車線幅3・5mずつとし、路肩(0・5m)との間に幅1・5mの自転車専用通行帯を両側に整備する計画だ。
36年度までの10カ年を計画期間とする市自転車総合計画では、自転車に関わる事故を2割削減することや、8割以上の市民が満足と感じる自転車利用環境に関する市民満足度の向上、市内の自転車ネットワークの構築、自転車を交通手段の一つとして十分に機能させることを目標にしている。
このうちネットワーク化については、市街地から重点的に整備を進め、36年度までに約100kmを目標に整備、37年度以降は約300kmの構築を目標に掲げている。