商業施設とホテル立地 民間2社 東松島の野蒜地区に 県が補助金
[2017/12/7 宮城版]
民間企業の2社が東松島市の野蒜地区に商業施設やホテルの立地を計画している。1社はアークリンク(東京都渋谷区)で、レンタサイクルや食材提供、盆栽体験などの複合型商業施設を整備する。もう1社はガス&ライフ(東松島市)で、ツインルームを中心とした30部屋分のホテルを新築する。いずれも年度内の着工、31年春のオープンを予定している。施設整備に当たっては県の補助金を活用する。
アークリンクは、JR旧野蒜駅の北側に約9400平方mの敷地を確保し、木造平屋660平方m程度の施設を整備する計画。総事業費は約3億7000万円を試算。敷地は市有地のため、これから境界を確定した上で市から借り受ける。
レンタサイクル事業では、二次交通機能として電動バイクやトゥクトゥク(三輪車)を活用し、奥松島や野蒜海水浴場などの地域観光資源を巡れるようにする。オプショナルツアーの導入や、シーカヤック・浮輪などのレンタルも視野に入れている。
食材提供では、野蒜地区の別の場所に私設農園を整備し、そこで利用者が収穫した野菜や果物などを使って食事が楽しめるようにする。農園との移動はトゥクトゥクなどを活用してもらう。ほかに、全天候型のバーベキュー、海産物、蕎麦などを提供する。
盆栽体験では、東松島の「松」をテーマに、盆栽作りやパフォーマーのイベントなどを計画。実際に松を植樹して、そこから盆栽体験できるようにする。盆栽は海外でも人気が高いため、SNSで情報発信し、インバウンドの獲得にもつなげる。
商業施設の整備工事は、同社の関連企業であるオリバが担当する。将来的には、関連企業である農業生産法人アソラの登記を野蒜地区に移すとともに、リリクルを運営母体とする考えだ。
アークリンクは平成元年に創業。駐車場事業や空間活用事業、土地活用の提案などを行っている。
ガス&ライフのホテルは、RC造2階建て延べ約2000平方mの規模で、野蒜ケ丘地区の西側に新築する。敷地は面積が約2700平方mで、市有地のため、市から借り受ける。近くの市有地も借り受け、社員用の駐車場などに利用する。宿泊部屋は通常2人用で、最大3~4人用を設ける。
今後は来年2~3月に建築確認申請を済ませ、3月の着工、31年2月の竣工、同4月のオープンを予定している。
ガス&ライフは、昭和42年に設立された三石プロパンが前身で、平成18年に現在の社名となった。LPガス・灯油・ガス石油機器の販売やハウジング事業などを手掛けている。
両社の施設整備に当たっては、県の沿岸部交流人口拡大モデル施設整備事業補助金を活用する。補助率は対象経費の3分の2以内で、限度額が2億円となっている。