北方町の地区計画決定 中央部に道路400m整備(千葉県市川市)
[2017/12/5 千葉版]
市川市都市計画課は、北方町地区の約11haについて、5日付で地区計画の決定を告示した。地区整備計画区域としてA・Bの2地区に分け、建築物の用途制限として専用住宅またはコンビニエンスストアのみと設定した上で、地区中央部に幅員12・0m、延長約400mの道路を整備するなどとした。市では地区計画の導入で、現在は市街化調整区域である同地区の、将来的な市街化区域への編入を見据えた「美しい景観のまち」の形成を目指すとしている。
今回地区計画が決定したのは、北方町4丁目と本北方2丁目・3丁目の各一部。中央部を貫く道路沿いを地区整備計画区域のA地区約4・3haと、その周辺をB地区約5・2haに分けた。B地区には市立の本北方保育園などが立地している。
道路沿いのA地区は、専用住宅または延べ面積が150平方m以下で平屋建てのもののみ、B地区については専用住宅のみとした。両地区ともに「市長がやむを得ないと認めたもの」は除外する。
土地利用に当たっての方針として計画では、周辺の水辺環境や農地、低層住宅地などの良好な景観と調和した「美しい景観のまち」を形成するため、緑豊かなゆとりある居住環境を主体とした土地利用を誘導することを掲げた。
建築物の整備方針についてはまた、その用途や高さの最高限度、形態または色彩その他の意匠、垣(かき)またはさくの構造を制限することや、緑豊かなゆとりある空間を備えた居住環境を形成するため、敷地面積の最低限度や壁面の位置を制限するとした。
具体的には、建築物の高さの最高限度については10m、敷地面積の最低限度には150平方mとせってい。高さについては日照などの保護とともに、統一感のあるまちなみ景観の形成が目的で、敷地面積については土地の細分化を防止して敷地内に空き地を確保し、良質な街区の形成を図るのが狙いだ。壁面については敷地境界線から1m以上、道路からは2m以上離すことになっている。
同地区は、JR本八幡駅から約2kmに位置。市街化区域に隣接した市街化調整区域にあり、28年11月には都市計画道路浦安鎌ケ谷線が全線開通したことで、交通の利便性が向上した。
同地区は一方で、昭和40年代の土地改良事業で、格子状に区画が整備されているものの、現在は農地だけでなく駐車場や資材置場などさまざまな土地利用が混在しており、多くの未利用地も残るなどしている。このため、今後想定される開発の進行に対し、適切な土地利用への誘導が求められていることから、地区計画を導入することで秩序ある土地利用を誘導、全ての世代が魅力を感じられる景観の形成を目標としている。