朝日町の造成に9億円 12月補正案 造船・燃油施設を整備(気仙沼市)

[2017/12/2 宮城版]
 気仙沼市は1日、定例記者会見を開き、12月補正予算案を公表した。一般会計は3億6276万円を追加し、総額を1173億0604万円とする。建設関連では、朝日町地区の造船・漁業用燃油施設整備事業に、造成工事費の増額分として2億3818万円を計上するとともに、29~30年度で限度額6億6000万円の債務負担を設定した。計上分と債務負担を合わせた計8億9818万円を追加投入して造成工事を進める考えだ。

 朝日町には、津波防災拠点用地を造成中で、第1期工事を五洋建設(東北支店・仙台市青葉区)が請け負っている。対象面積は約4.1ha。この用地の一部には、民間企業のみらい造船が、市から土地を借り受けて造船工場を整備している。

 市によると、造成工事を進める中で、予想以上に被災宅地の基礎が残っていることや、予期しなかった杭が埋まっていることが判明したため、今回の補正で工事費を上積みすることにした。併せて、燃油施設用地の造成費も予算に組み込んだ。

 燃油施設用地は、津波防災拠点用地のうち、約1haを活用して確保する。この造成工事は、2期工事として発注することになるが、場合によっては五洋建設と随意契約する可能性がある。

 燃油施設用地には、民間企業の気仙沼商会が重油貯蔵量990㎘のタンク5棟を整備する。タンクにはそれぞれ、津波被害を受けないようにコンクリートの円柱(PC壁)を取り付ける。PC壁の設置工事は市が今後に発注する。

 津波防災拠点用地にはこのほか、津波避難タワー、駐車場、緑地などを整備する予定になっている。これらの工事費は今後に予算計上し、別途発注していく。全体完成は30年度末を目指している。

 12月補正では、朝日町の事業費以外に、農林施設災害復旧事業の補助金として602万円を計上した。この予算は、台風18号で被災した田地8カ所、畑地4カ所、農業用水施設8カ所を復旧する団体または個人に対し、補助金を交付する。補助率は農地が復旧費の6割以内、農業用水施設が7割以内。

 補正予算案は8日開会の市議会12月定例会に提出する。

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