美術館拡張へ 大谷研究室で基本設計 30~31年度に工事(千葉市)
[2017/11/30 千葉版]
千葉市市民局文化振興課は、市美術館(中央区中央3-10-8)の拡張整備に向けた基本設計業務を、24日に開札した希望型指名競争入札で、大谷研究室(東京都杉並区)に委託した。同社は同美術館の元設計者でもある。入札では総合評価落札方式(標準型)を採用し、成果は年度内にもまとまる見通しだ。
既存の千葉市美術館は平成6年11月の完成。RC造地下3階地上12階建て延べ1万7499平方mの構造・規模で、昭和2年に建てられた旧川崎銀行千葉支店を修復した上で、これを囲うように「鞘(さや)堂方式」と呼ばれる方法で建てられており、12階建ての建物のうち主に3~5階を中央区役所として使用している。
計画では、同区役所をきぼーる(中央区中央4-5-1)の13~15階の、現在は千葉市産業振興財団が入居している部分に移転させるとし、さらに11、12階にある中央保健福祉センターを13~14階に移転。加えて11階にある社会福祉協議会中央区事務所を15階に移転させるとした。
このため、きぼーる既存フロアの仕切りの撤去・新設や、現在分離して稼働しているエレベーターの改修などを並行して計画しており、29年度に実施設計、30年度にはカウンターの位置などレイアウトの設計とともに改修工事に着手し、31年5月の区役所移転を予定。今年9月の市議会定例会で議決した補正予算では、設計委託料2000万円を確保するとともに、30年度分の事業費700万円を債務負担行為に設定していた。
今回の美術館については一方で、中央区役所移転した後のフロアを利用して拡張整備する方針。体験コーナーなども新たに設ける考えで、29年度の基本設計に続き、実施設計を30年度に予定しており、同様に仕切りの撤去・新設や、エレベーターの改修工事を30~31年度に実施。32年7月のリニューアルオープンを目指すとした。補正予算では設計委託料2300万円とともに、30年度を期間として限度額4900万円の債務負担行為を設定している。
一方で中央区役所の機能移転に向けては、きぼーるの改修設計業務を、一度の入札不調を経て17日に開札した指名競争入札で、ワールド建築研究所(千葉市中央区)に委託している。
同市の標準型の総合評価落札方式は、業務の実施方針に加え、業務内容に応じた具体的な取り組み方法の提示を求めるテーマ(評価テーマ)を示し、評価テーマに関する技術提案を求めることにより品質の向上が期待できる業務に適用されている。