八幡地区にゼリー工場 ワンテーブルと立地協定 投資総額5億円(多賀城市)

[2017/11/30 宮城版]

備蓄ゼリー製造販売の拠点工場イメージ図

備蓄ゼリー製造販売の拠点工場イメージ図

 多賀城市は29日、備蓄用ゼリーを開発した加工製造業のワンテーブル(名取市・島田昌幸代表取締役)と立地協定締結に向けた覚書を交わした。同社は八幡一本柳地区のさんみらい復興団地にゼリーなど製造販売の拠点工場を新設する。投資総額は約5億円。国の補助金を活用し30年1月の着工、同6月竣工を目指す。

 市は、市役所で立地協定締結式を開き、菊地健次郎市長と島田社長が覚書を交わした。菊地市長は「市の復興の大きな一歩になる。団地には同社を含め10社が立地する。減災都市多賀城の実現と、復興加速、地域産業の発展に全力で取り組む」とあいさつした。

 同社は、食の企画会社ファミリアが母体で、28年11月に設立。企画された製品の加工製造・販売を担う。32年には株式を公開する。島田社長は「世界初の備蓄ゼリーを開発した。災害時は多賀城から基幹産業の復旧と食を支える」と意欲を述べた。

 工場は、さんみらい復興団地の敷地約5500平方mを借地し、工場はS造2階建て延べ約2000平方mの規模で計画。今後、競争入札で施工者を決定し、30年1月の着工を目指す。工場では備蓄ゼリーで年間2000万食を製造し、自治体や大企業などに販売する。

 備蓄ゼリー「LIFESTOCK」は、長期保存できるアルミ状のパウチに約3.3g入っている。高齢者や乳幼児でも食べやすく、水や電気が不要な点も特徴の一つ。島田社長は「今後、国内5カ所に拠点工場を作る」と計画を話した。

 復興団地は、市の復興事業で造成した。事業面積は約15ha。全19区画のうち18区画で協定を結んでおり、今後着工する企業数は30年度に2社、31年度に1社の予定。市は今後、30年度に市の備蓄倉庫の建設工事、区画道路の築造工事に着手し、30年度末の事業完了を目指す。

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