国直轄事務所と意見交換 地域業者の活用を要望(千建協)

[2017/11/18 千葉版]
 千葉県建設業協会(畔蒜毅会長)は17日、国土交通省関東地方整備局(泊宏局長)の千葉県に関係する出先の5直轄事務所と、千葉市中央区のホテルポートプラザちばで意見交換会を開いた。事務所側から各施策の取り組み状況について情報提供を受けた後、協会側から現場対応などについて意見・要望が出されるなどし、地域の実情を考慮した対応を訴えた。

 この意見交換会は、今年8月に開催された関東地方整備局との意見交換会で出された要望などについて、直轄の出先事務所(千葉国道、利根川下流河川、江戸川河川、首都国道、常総国道)の所長らが直に話を聞き、より現場に密着した視点で課題解決へ取り組む目的で例年秋~冬季に開催されている。

 会冒頭、千葉国道事務所の八尾光洋所長が代表してあいさつ。まず工事事故が増加傾向にあることについて触れ、整備局が策定した地域インフラサポートプランにも盛り込まれた、週休2日制の採用によるリフレッシュを呼び掛けた。

 八尾所長は一方で、月の大雨による土砂流出で片側通行となっていた富津市竹岡地先の国道127号で、土のうを積んで対応してくれたのは地元の下請け企業だったと感謝の言葉を述べながら、未開通の圏央道大栄・横芝間に着工できる見込みとなったことを報告。あらためて地元企業らの協力を求めていた。

 これを受けて畔蒜会長もあいさつし、同協会として災害発生時には応急対応できる体制が整っているとした上で「地域建設業の国土と住民の安全を守るという役割が日々重くなってきていると思う」とした。

 畔蒜会長は、公共事業予算が横ばいで工事の発注件数が減少する中「地域の守り手」としての活動を続けているとし、先に発表された県の補正予算案で、工事時期の発注平準化を目的に、28億円の債務負担行為が設定されることについて触れ、国にも同様の対応を求めるとともに、来年度の当初予算に今年度以上の事業費が盛り込まれるよう努めてほしいとし、同協会としても10月に行った国への要望活動について、年内にもう一度実施する予定であることも明かすなどした。

 続く議事ではまず、直轄事務所側が▽地域インフラサポートプラン関東2017▽整備局管内工事事故発生状況▽整備局管内直轄工事の直轄工事における盗難被害状況▽建設業団体との意見交換会の主な意見──について同協会に情報提供した。

 その後、協会側から▽公共事業予算増額と安定的・継続的確保、地域建設業の受注機会確保▽施工時期の平準化▽完全週休二日制と賃金・経費▽入札・契約制度▽設計・積算▽現場対応等▽提出書類の簡素化▽その他──の8つをテーマに要望があり、施工パッケージによる積算をもう少し細分化してほしいという意見や、書類の簡素化についても、発注者側がこの書類は不要だと直に言わなければ書類は減らないという意見も出た。

 自由発言の場では、協定に基づき同協会が行うパトロールについて、国道と河川という「線と線」ではなく、エリアとして実施すべきとの意見も出るなど、互いに腹蔵のない意見交換となった。

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