業務平準化が最重要 東北整備局と意見交換(建コン東北支部)

[2017/11/15 宮城版]
20171115sen01 建設コンサルタンツ協会東北支部(菅原稔郎支部長)は13日、東北地方整備局と意見交換会を開いた。建コン側は、同局が発注する建設関連業務の約7割が2~3月に納期を迎えている現状を報告。2月は発注(公告)件数も多いため、分散化を特に求めた。同局の渡邉泰也企画部長も「業務の年度末集中は異常」と述べ、職場環境の改善や担い手確保に向けて発注・納期の平準化が最も重要との認識を示した。

菅原支部長

菅原支部長

 意見交換会には、建コン側から菅原支部長ら18人、同局側から渡邉企画部長ら9人が出席した。あいさつで菅原支部長は、担い手の確保に向け「給与・休暇・希望が与えられるような安定した経営を維持していかなければならない。その解決策の主要な課題が本日の意見交換会の議題に盛り込まれている」と話した。

 意見交換の議題は▽企業の経営環境向上と技術力向上のための適切な発注▽円滑な業務執行への取り組み▽業務環境の改善と担い手確保のための取り組み──など。

 適切な発注に向けては、建コン側がプロポーザルと総合評価による業務の発注時期について、2~3月と5~7月に集中している状況をグラフで提示。「特に道路分野は2~3月に集中しており、納期と重なるので発注時期の分散を検討してほしい」と求めた。

 業務環境の改善に向けては、建コン側が同局関連業務の納期比率に関し、当初3月納期が年々減っているものの、当初納期から3月末までに変更となった比率が3割ほど増えている現状を伝え、「なかなか減少が見られない」と指摘。当初2月納期の比率も「35%程度」あることを伝え、改善を求めた。

 さらに、業務環境の改善に関する会員企業へのアンケートにおいて、全回答者の約2割が「ノー残業デーや休日を考慮しない作業指示があった」、約1割が「深夜や休日の待機命令あった」と回答していることを報告し、業務環境の改善は「受発注者が共同でとりくまないとなかなか効果が表れない」と訴えた。

 同局は納期の平準化について、ゼロ国債などを活用して早期発注に努め、4~12月までの納期を25%以上、1~2月までの納期を25%以上、3月までの納期を25%以下にする目標を掲げていることを説明。適正な履行期間を設定しながら平準化に取り組んでいることを伝えた。

渡邉企画部長

渡邉企画部長

 その上で、12月からは履行期間の設定支援に向け、全ての詳細設計業務を対象に「業務スケジュール管理表」の活用試行に踏み切ることを紹介。「契約金額」「主たる工事」の情報から、標準的な作業期間(過去の実績)を表示し、発注時の工期設定を支援するとともに、契約後は業務スケジュール管理表として活用する方針だ。

 渡邉企画部長は、業務環境の改善に向け「9月納期の業務をもっと増やすといったことをしないと難しい。それはゼロ国債の活用などでやらざるを得ない。それをしないと担い手確保は絶対にできない」と危機感を表した。

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