水道事業 31年4月統合へ協定(君津地域)
[2017/10/31 千葉版]
木更津市と君津市、富津市、袖ケ浦市の君津地域4市と県、君津広域水道企業団の6団体は30日、木更津市の同企業団で、同地域の水道事業の統合・広域化に関する基本協定締結式を開いた。当日は各首長らが一堂に会し、経過報告を受けた上で協定内容を確認、固い握手を交わした。31年1月に広域連合を設立し、同4月には水道事業と水道用水供給事業を開始することになる。
式には森田健作知事のほか、木更津市の渡辺芳邦市長(君津広域水道企業団企業長)、君津市の鈴木洋邦市長、富津市の高橋恭市市長、袖ケ浦市の出口清市長ら全首長が出席。協定を終えあいさつに立った渡辺市長は、人口減に伴う給水事業の経営悪化が見込まれる中、配水池の多くが更新時期を迎えるとともに、ベテラン職員の離職など技術の継承にも多くの課題がある中、将来にわたって持続可能となるよう施設を広域的に利用し、経営基盤の強化や水道水の安定的な供給に向け「協定締結は経営一体化に向けた大きな一歩」だと評し、統合へのスケジュールを着実に進めていくと決意を示した。
4市と企業団は25年10月に締結した水道事業の統合・広域化に関する覚書に基づき協議会を設置。29年5月には県と4市を構成団体とする広域連合が統合した水道事業と水道用水供給事業を運営することとし、協議会に県が参加。同10月に基本計画の合意に達した。
基本計画は統合後20年間の事業を定めるもので、計画期間は31~50年度の20カ年。事業統合により給水人口32万人、1日最大配水量12万3000㎥規模の事業体を想定している。
計画では統合による交付金や出資金を活用することで、施設整備水準を高めながら経営基盤を強化。特に交付金対象となる31~40年度に集中整備を図る方針だ。
4市の水需要(1日当たりの有収水量)は50年度までに約17%減少する見込みなことから、事業を統合して効率的な事業運営を図るとともに、1日最大給水量も減少傾向のため、施設の統廃合により、施設規模を縮小する。
施設整備計画では20カ年の総事業費に1270億2000万円を概算。このうち施設の統廃合事業に54億8000万円を配分し、配水区域の統廃合に伴い、配水池3カ所を整備した上で、水源29カ所、浄水場・配水場9カ所を廃止する計画だ。
管路更新事業には483億1000万円を試算。有効率95%を目標に、管路の計画的な更新・耐震化を進めていく。また、施設設備の更新事業には93億2000万円を見込み、アセットマネジメント検討結果に基づき、計画的に更新を推進する。
耐震化事業には12億4000万円を充当。統廃合事業で整備する配水池のほか17カ所で容量の大きい配水池から順次耐震補強を施す。また、拡張事業の事業費には15億5000万円を概算。富津市天羽地区で水道未普及地域解消事業を継続する。
管理設備集約事業には24億9000万円を配分。庁舎・管理棟や集中監視設備を集約することで、管理体制の強化や費用削減に取り組んでいく方針。事業団事業には586億3000万円を配分。28~32年度の第3次施設整備計画に盛り込んだ事業のほか、企業団関連の統廃合事業(受水点2カ所の追加)を進める。