山元町2河川で堤防復旧 奥田建設 8.9億円で戸花川 坂元川その4は橋本店(県出納局)
[2017/10/24 宮城版]
県出納局は23日、亘理郡山元町内を流れる2河川の堤防復旧に関し、工事2件の入札結果を公表した。「戸花川河川ほか災害復旧工事その4」を奥田建設(仙台市青葉区)が8億9500万円で落札。「坂元川河川ほか災害復旧工事その4」を橋本店(同)が8億円で落札した。両工事とも、2河川の堤防復旧では最後の工事となり、仙台湾南部海岸堤防から続くバック堤を計764m整備する。
両工事の入札は、5日に開札した一般競争入札(総合評価方式)。戸花川その4にはJVを含め、4者が応札した。奥田建設は応札額では3番札だったが、総合評価では技術力や施工計画の項目が高く評価され、総合評価点93.80点を獲得して落札を決めた。予定価格は9億9171万8000円で、落札率は90.2%だった。
一方、坂元川その4の入札には、橋本店と松浦組の2社が応札した。1番札を投じた橋本店は、総合評価でも技術力や地域貢献の項目で評価され、82.06点を獲得。順当に落札を決めた。予定価格は8億4076万7000円で、落札率は95.2%だった。
戸花川と坂元川は東日本大震災による津波が遡上し、流域で甚大な被害が発生した。戸花川の復旧延長は2012m、坂元川は2019m。これまでWTO対象工事を含む大型の災害復旧工事が発注され、両岸の堤防復旧が進められている。
今回、両工事で復旧する工区は、仙台湾南部海岸堤防の延長として整備される海抜7.2mのバック堤と、原形復旧する既存堤防がすり付く箇所。しかも旧JR常磐線の線路敷を活用し、内陸移設する県道38号相馬亘理線が交差する場所でもある。
戸花川その4では、延長391.9mの堤防復旧に着手する。築堤盛土量は2万8763立方m。のり面1万0039平方mを対象にコンクリートブロックを張るほか、旧新川橋を撤去する。奥田建設は復旧箇所と交差する相馬亘理線について、道路工と護岸工を行う山寺(1)道路改良工事を受注している。
また、坂元川その4では延長372.1mを対象に、築堤盛土1万6740立方mやのり覆護岸工7509平方mなどを実施。併せて旧相馬亘理線のルート上に残る中浜橋、中島橋を解体撤去する。
工期はともに31年3月25日まで。内陸移設する相馬亘理線は、戸花川、坂元川とは新しい基準の堤防高で交差するため、中浜橋と新川橋を架け替える。現在、両橋の上部工工事が進んでいる。