次期ごみ処理施設12月にもDBO公告(千葉県四街道市)

[2017/10/18 千葉版]
 千葉県四街道市廃棄物対策課は16日、新たに整備を計画している次期ごみ処理施設について、PFI手法のうちDBO方式を採用することを決め、その実施方針を明らかにした。意見や質問を23日まで受け付けた上で、12月下旬にも整備・運営事業者を募集する総合評価一般競争入札を公告する考え。市は公告に先立ち、要求水準書も公表する予定で、来年7月下旬の落札者決定と同9月下旬の本契約、33年10月の稼働開始を目指す。

 DBO方式の採用に当たって市は、発注支援(アドバイザリー)業務を今年4~6月に実施した公募型プロポーザルで、エックス都市研究所・環境技研コンサルタント共同提案体(JV)を受託者に選定。従来方式よりもDBO方式が優れていることを確認することを含めて、業務成果をまとめていた。

 参加資格は、複数企業で構成される企業グループとし、設計・建設業務または運営業務を行う企業のうち、運営事業者となる特別目的会社(SPC)に出資する企業(構成員)と、出資しない企業(協力会社)で構成(構成員のみでも可)。この構成員の中で、プラントの設計・建設と建築物などを設計する要件全てを満たす1者を代表企業とする。

 この代表企業は、市の入札資格者名簿に清掃施設工事で登載があり、同工事の経営事項審査結果の総合評定値が1000点以上で▽発電設備を有し、施設規模が1日当たり80t以上かつ炉構成が2炉以上▽連続運転式一般廃棄物焼却施設(ストーカ式焼却方式に限る)──をDBO方式で元請けした施設の竣工実績が1件以上あることを入札の参加要件とした。

 業務の範囲については、施設の設計に始まり、必要となる事前調査や、二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金と循環型社会形成推進交付金の申請支援を進め、施設の建設に着手。33年10月の稼働後は受付や運転管理、維持管理、情報管理、環境管理、防災管理、保安・清掃、周辺住民への対応といった運営業務を53年9月までの20カ年実施する。

 市は一方で、設計・建設に当たり用地の確保や地元住民への対応、施設の交付金申請、施設の設計・建設モニタリングを実施。稼働後は住民対応や運営モニタリング、施設への廃棄物の搬入、残渣運搬と最終処分などを負う。

 整備値は吉岡677番1他の約5・45㏊(から付帯施設用地などを除いた部分)。建設する「エネルギー回収型廃棄物処理施設」は処理方式に全連続燃焼ストーカ式を採用。施設規模は1日当たり80t(40t×2炉)で、発電設備も設置する。

 併設する「マテリアルリサイクル推進施設」は、粗大ごみ処理施設のほかプラスチック処理施設とストックヤードからなり、粗大ごみは1日当たり3.9t、プラスチックは同8tを破砕などで処理。ストックヤードは約110㎥の容量を持たせる。

 これらのほか関連施設として、管理棟や計量棟、洗車場、駐車場、構内道路、構内排水設備、植栽、門扉などを整備する。

 市ではこれまでに、平成4年に稼働した既存のクリーンセンター(山梨2002)について、地元のみそら地区自治会が操業延長を認めないとしたため、補償に関して協議する交渉会を進める一方、次期ごみ処理施設用地を確保している吉岡区に整備を打診。吉岡区が応じたことから基本合意書を締結した上で、地域振興策などを含めた施設の整備に向けた協議を進めていた。

 並行して市では、処理施設に附帯させる施設について今年8月、基本構想策定業務を国際航業(東京都千代田区)に委託。地元意向調査に加え、事業化に向けたスケジュールの検討や概算事業費の算出、市民会議の開催支援を進めている。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.