大峠山トンネルを公告 下部工や切土28万立方mと一括 三陸道の気仙沼道路(東北整備局)
[2017/10/21 宮城版]
東北地方整備局は20日、「国道45号大峠山地区道路工事」の一般競争入札(WTO)を公告した。この工事は、三陸沿岸道路の気仙沼道路を造る工事で、大峠山トンネルの掘削・覆工、気仙沼2号トンネルの覆工、28万立方mの掘削工、大峠山橋の下部工6基などを一括施工する。概算工事規模は50億円以上。入札の参加対象は、同局から一般土木工事の資格認定を受け、その経営事項評価点数が1200点以上である単体企業か経常JV、または3社以内の特定JV。開札日は30年2月14日。
工事内容は、気仙沼市大峠山~唐桑町釜石下地区で延長469mの大峠山トンネルの掘削・覆工と、延長450mの気仙沼第2号トンネルの覆工、28万立方mの掘削工、2万立方mの盛土工、法面工などを進めるほか、同市東八幡前地区で大峠山橋の下部工6基を打設する。工期は、下部工が31年10月21日まで、それ以外が32年6月30日まで。
主な資機材はコンクリート約2万5000立方m、鉄筋約1900t、H形鋼約560t、ロックボルト約290tの使用を見込む。
大峠山トンネルは、ナトム工法で掘削する。内空断面は標準部で約87平方mだが、終点側(北側)は仮称・唐桑南インターチェンジ(IC)のオフランプが位置するため、内空断面が128平方mと大きくなる。一部区間は土被りがトンネル直径より薄いため、掘削に気を使う必要がある。設計はエイト日本技術開発(東北支社・仙台市若林区)が担当した。
今回の工事に含まれる掘削工は、主に同オフランプの切土が大きなウェートを占める。掘削工に関しては、ICT(情報通信技術)の全面活用を指定している。
気仙沼2号トンネルは、大峠山トンネルよりも北側に位置し、佐藤工業(仙台支店・仙台市青葉区)の施工で掘削したため、コンクリートの覆工のみを施す。
大峠山橋は、橋長276m、幅員12mのPC5径間連続ラーメン箱桁橋で、大峠山トンネルから300mほど南側の沢部に架ける。橋脚4基は大口径深礎くい、橋台2基は深礎くいを打つ。設計は大日本コンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)がまとめた。
入札では、段階的選抜方式を適用し、一次審査の評価点の合計が上位8社までを有効とし、それ以外の入札を無効とする。参加資格の資料作成や発注者の技術審査に要する負担を軽くするため、一次審査は簡易技術資料を評価し、上位8社のみに対し、詳細技術資料を求める。
気仙沼道路は、同市松崎高谷地区の気仙沼IC(仮称)から、同市唐桑町只越地区の唐桑南ICまでを結ぶ延長9kmの自動車専用道路。全体のうち、気仙沼IC~気仙沼港IC(仮称)間の延長1.7kmは31年度の開通を予定している。