日本工営で老朽化対策 大崎西部など3地区62施設(北上土地改良)
[2017/10/19 宮城版]
農林水産省北上土地改良調査管理事務所は、「猿ケ石用水地区ほか施設更新整備計画基礎資料作成業務」を日本工営(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。同業務は、本県の大崎西部地区で米袋排水機場や大堰頭首工など15施設、定川地区で33施設、岩手県内の猿ケ石用水地区で14施設の計62施設を対象に、管理状況を調査し、長寿命化に配慮した更新整備計画を作成し直す。履行期限は30年3月23日。業務成果は、30年度以降に定める広域基盤整備計画に反映させる。
今回の業務は、29年度の広域基盤整備計画調査として進める。委託に当たっては公募型プロポーザルを採用。17日に同社と1180万円で見積り合わせし、18日に契約を結んだ。
大崎西部地区の米袋排水機場は、口径1000mmと口径1200mmのポンプが2台ずつ設けられており、排水能力が毎秒10tの規模。大堰頭首工は、フィクスドタイプで、堰長が268.4m、堰高が2.6m。全体のうち237.2mは固定堰、31.2mが可動堰となっている。鋼製ローラーゲートが4門備わる。2施設とも老朽化が進んでいる。
定川地区では排水機場や排水路、水門・樋管などについて、猿ケ石用水地区では用水路などについて、老朽化がそれほど目立っているわけではないが、それぞれ長寿命化に配慮した更新整備計画を作成し直す。
大崎西部地区は、大崎市、加美郡加美町、遠田郡涌谷町、美里町にまたがる4612haの水田地帯。昭和62年~平成17年の国営かんがい排水事業で、頭首工4カ所と、排水機場1基、延長20.2kmの用水路、延長400mの排水路が整備された。
定川地区は、石巻市や東松島市にまたがる水田地帯。昭和26~45年の国営かんがい排水事業で、排水機場7カ所や延長60.7kmの幹線排水路などが設けられた。