美術館拡張へ基本設計 総合評価・希望型指名で(千葉市)
[2017/10/12 千葉版]
千葉市市民局文化振興課は、市美術館(中央区中央3-10-8)の拡張整備に向けた基本設計業務を委託する。希望型指名競争入札は、17日まで入札参加申請を受け付け、開札は11月22日以降を予定。総合評価落札方式(標準型)を採用し、委託者を決定した上で年度内にも成果をまとめたい考えだ。
希望型指名競争入札の参加資格は、市の入札参加者名簿で建築関係建設コンサルタントとして登載があり、過去に美術館または博物館の設計を元請けした実績や、一級建築士の実務経験が8年以上の技術者を配置できることなどを求めている。
同市の標準型の総合評価落札方式は、業務の実施方針に加え、業務内容に応じた具体的な取り組み方法の提示を求めるテーマ(評価テーマ)を示し、評価テーマに関する技術提案を求めることにより品質の向上が期待できる業務に適用されている。
既存の千葉市美術館は平成6年の竣工。RC造地下3階地上12階建て延べ1万7499平方mの構造・規模で、昭和2年に建てられた旧川崎銀行千葉支店を修復した上で、これを囲うように(さや堂方式)建てられており、12階建ての建物のうち主に3~5階を現在は中央区役所として使用している。
計画では、同区役所をきぼーる13~15階で、現在は千葉市産業振興財団が入居している部分に移転させるとし、さらに11、12階にある中央保健福祉センターを13~14階に移転。加えて11階にある社会福祉協議会中央区事務所を15階に移転させるとした。
このため、きぼーる既存フロアの仕切りの撤去・新設や、現在分離して稼働しているエレベーターの改修などを並行して計画しており、29年度に実施設計、30年度にはカウンターの位置などレイアウトの設計とともに改修工事に着手し、31年5月の区役所移転を予定。9月の市議会定例会で議決した補正予算では設計委託料2000万円を計上するとともに、30年度分の事業費700万円に債務負担行為を設定している。
一方で今回の美術館については、中央区役所移転した後のフロアを利用して拡張整備する方針。体験コーナーなども新たに設ける考えで、29年度の基本設計に続き、実施設計を30年度に予定しており、同様に仕切りの撤去・新設や、エレベーターの改修工事を30~31年度に実施。32年7月のリニューアルオープンを目指すとした。補正予算では設計委託料2300万円とともに、30年度を期間として限度額4900万円の債務負担行為を設定した。
一方で中央区役所の移転に向けては、改修設計業務の制限付一般競争入札が公告されており、今月12日の開札が予定されている。