約1億円で設計委託 北上小学校 日立建設設計と契約(石巻市)

[2017/10/5 宮城版]
 石巻市は「市立北上小学校新築移転工事設計業務」を日立建設設計(北日本支店・仙台市青葉区)に委託した。同社とは9月29日に1億0180万円で委託契約を結んだ。予定価格は1億0424万7000円だった。同校の移転新築は、来年度に建築着工し、31年度の完成、32年4月の供用開始を目指している。

 設計業務の委託に当たっては、公募型プロポーザルを採用し、5社から参加申請と技術提案を受け、公開ヒアリングや審査を経て、日立建設設計を設計者に選んだ。

 同社の提案では、建物を敷地東側に寄せ、中心に図書館(メディアセンター)と絡めた大階段を設置して、1、2階の一体感と変化のある空間を確保する。前面には大きな広場と地域利用を想定したホールを設け、教室部分を木造とし、落ち着いた空間を形成する。

 プロポの審査では、同社の提案に対して「コンパクトさを追求しながら、教室エリア等の木質化とあいまって、豊かな空間を内包している」「風景になじんだ外観を実現しようとしており、全体的なまとまりに優れている」などの評価が寄せられた。

 北上小学校は、にっこりサンパーク多目的グラウンド内に移転新築する。敷地面積は約1万2000平方m。新しい学校施設は、RC(一部S・木)造2階または3階建て延べ3000平方m以内の校舎、S造平屋900平方m以内の体育館、700平方m程度のプール、外倉庫、駐車場などで構成する。学級数は普通6、特別支援2の計8学級とする。

 設計業務の内容は▽建築工事の基本・実施設計▽外構造成工事の基本・実施設計▽関係者による意見交換等の開催▽国庫補助申請等の支援業務──など。履行期限は30年3月31日。

 現時点での建設事業費は、29年度から3カ年分で22億0033万円を試算している。移転新築の基本構想・基本計画は、建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)がまとめた。

 同校は、大震災で壊滅的な被害を受けた相川小と吉浜小が、橋浦小と統合して25年4月に誕生した。現在は旧橋浦小の学校施設を使用している。移転先には仮設住宅が設けられているが、先月30日に閉鎖しており、今後に解体撤去工事に着手する。

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