10年後見据えた施策を 千葉県「予算や受注機会確保」提案(全建・関東ブロック会議)
[2017/10/5 千葉版]
全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)と国土交通省らによる29年度のブロック会議が4日、関東甲信越地区を皮切りに始まった。1都9県の建設業協会で構成する関東甲信越地方建設業協会長会(会長・渡邉勇雄栃木県協会長)は、会場となった東京都千代田区の経団連会館国際会議場から、本県協会からの要望である公共事業の予算増額かつ安定的・継続的確保、地域建設業の受注機会確保などを訴えた。
恒例の開催となった同会議には、本県協会からも畔蒜毅会長をはじめ、高橋順一氏、小宮山房信氏、石井良典氏、金城総円氏の副会長4人と、大林正章専務理事の三役も揃って出席した。
冒頭のあいさつで渡邉会長は、建設産業を取り巻く数多くの課題により「地域建設業のあり方に強い危機感を感じる」とし、国でもさまざまな施策が講じられているものの、次の世代につながる経営の安定化が図られることの必要性を強調、魅力的な産業へ業界が一体となって取り組んでいくことの意義を訴えた。
来賓からは、国土交通省の青木由行建設流通政策審議官が登壇。毎年のように発生する大規模災害の対応に感謝の言葉を述べながら「地域建設業が持続可能でなければ日本の将来はない」と、その役割が果たされるよう国としても安定的な経費を確保できるよう努めていきたいとした。
同省からはまた、五道仁実技術審議官も、かつて3Kと呼ばれた職場を変えるため、ICTなど新技術の現場への導入に段階的に取り組んでいることに理解を求めれば、同省関東地方整備局の泊宏局長も、関東地方のインフラ整備に当たり、働き方改革に向けた「地域インフラサポートプラン」の策定と実行を着実に進めていきたいとした。
最後に全建の近藤会長は、先にまとまった「建設産業政策2017+10」で、担い手確保など10年後を見据えた施策と方向性が示されたことに触れ、地域建設業の健全で安定した経営のため、安定的かつ持続的な事業が切れ目なく確保されることが必要だと訴えた。
議事ではこの後、各協会が持ち寄った要望事項について意見交換。本県の高橋副会長が説明した要望事項に対し国交省側は、30年度の当初予算で前年度の1・16倍の予算を要望していることや上半期比で前年度を上回る発注ペースに努めていること、災害対応の評価など適切な地域要件の設定を図っていることなどが回答された。