複合文化施設を来夏発注 総事業費130億円 32年末の新築完成へ(石巻市)

[2017/9/28 宮城版]

複合文化施設の完成イメージ

複合文化施設の完成イメージ

 石巻市は、来年7月末~8月に石巻複合文化施設(仮称)の新築工事を入札発注し、市議会9月定例会で工事請負契約の承認を目指している。32年末には同施設を完成させ、震災命日である33年3月11日に現地で慰霊祭を開催する意向だ。新築の総事業費は130億円を試算。本年度は実施設計のとりまとめ作業を進める。

 同施設は、開成1-8他の石巻トゥモロービジネスタウン内に新築する。敷地面積は約2万2300平方m。建物はRC+SRC+S造の複合構造で、3階建て延べ約1万3200平方mの規模。建築面積は約8400平方m。最高高さは約31m。駐車場は常時と臨時用で計296台分、駐輪場は100台分を確保する。

 施設内には、博物館エリア、大ホール、小ホール、楽屋、生涯学習エリアなどを設ける。博物館エリアには企画展示室、常設展示室、市民ギャラリー、収蔵庫などを配置。大ホールは客席2階で計1250席、小ホールは客席300席を設ける。

 楽屋は小部屋6室、中部屋4室、大部屋2室などで構成。生涯学習エリアは、研修室の小部屋、中部屋、大部屋を2室ずつ、練習室3室、アトリエ、和室、創作室、図書漫画コーナー、キッズスペースなどを配置する。

 新築の基本構想・基本計画は三菱地所設計(東北支店・仙台市青葉区)がまとめた。新築工事の基本設計・実施設計は藤本壮介建築設計事務所(東京都新宿区)が作成を担当。展示工事の基本設計・実施設計は乃村工藝社(本社・東京都港区)がとりまとめる。

 基本設計は新築工事、展示工事ともに完了ずみ。市は8月3日に新築工事の実施設計を藤本壮介建築設計事務所と2億1710万円、9月27日に展示工事の実施設計を乃村工藝社と2310万円で随意契約した。

 展示工事の設計では、全体平面図・展開図や造作図、グラフィク情報構成図、映像・音響装置システム図などを作成する。展示物は、石巻の歴史・文化・先人に関する資料や、高橋英吉の彫刻作品、毛利コレクションなどを予定している。

 文化複合施設は、大震災で被災した石巻市民会館と石巻文化センターの代わりとして、両施設を統合する形で整備する。完成後の運営は指定管理者に委ねる。石巻トゥモロービジネスタウン内の建設予定地には現在、被災者向けの仮設住宅が建っており、30年3月までに退去してもらう予定になっている。来年度早々には、仮設工事の撤去工事に着手する見通し。

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