防潮堤本体工事に着手 気仙沼の海岸3カ所(宮城北部森林)

[2017/9/22 宮城版]
 宮城北部森林管理署は29~30年度、気仙沼市の海岸3カ所で防潮堤の本体工事に着手する。大谷海岸は護岸の復旧と、本体工事に伴う地盤改良の検討後、本体工事を公告する。御伊勢浜も29年度、岩井埼は30年度発注を見込み、保安施設の復旧事業を加速させる。

 防潮堤は、防災林の保安施設災害復旧事業で新設する。大谷海岸は、総延長約1kmを国道との一体堤防として築堤する。このうち同管理署は、延長約400m区間を傾斜堤で施工する。砂浜の保存など地域要望を踏まえ、復旧の位置は陸側約20mに見直している。

 同区間では29年度、コンクリートの護岸工事、本体工事に伴う地盤改良工事の範囲の検討、本体工事の発注を進める。海岸付近で工事が集中するため、搬入道路や資材置き場の検討と、堤防の位置を見直したことで民有地確保の区域確定作業も実施する。

 防潮堤本体は、セメントや震災がれき混合したSCG工法で建設し、国道に繋げる。高さは海抜9.8m、勾配は海側が1割5分、陸側が2割5分。護岸工事は公告済みで、25日まで参加・提案書の提出を受け付け、10月12日に開札し施工者を決定する。

 設計は、防潮堤が国土防災技術(東北支社・仙台市若林区)、護岸が森林テクニクス(秋田支店・秋田市)が業務をまとめた。

 岩井埼は、延長1.2kmを直立堤で建設する。海側が1割5分勾配、陸側は1割6分勾配で築堤し、土を盛ってブロックで被覆し粘り強い構造で完成勾配を2割5分にする。10月に詳細設計を委託し、年内に位置や高さを固める方針。

 御伊勢浜は30年度発注で、延長約520mを建設する。地元要望を踏まえ、海水浴場付近の200m区間は階段式で施工する。

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