看護師宿舎を新築へ 保育所も併設(国保旭中央病院)
[2017/9/15 千葉版]
国保旭中央病院は、看護師宿舎の設置計画案を明らかにした。敷地内に保育所を併設した看護師宿舎を新築する計画だ。施設規模はRC造8階建て延べ6300平方mを想定。事業費は約18億円を概算している。開会中の旭市議会定例会に同計画案を盛り込んだ中期計画変更の認可議案を上程しており、承認され次第、基本・実施設計に着手する方針だ。
同病院の中期計画(28~31年度)では「宿舎のあり方について検討し、必要に応じた設置計画を策定する」としていたが、宿舎の老朽化や昨今の医療情勢などを踏まえ、市と協議した結果、新しい看護師宿舎を建設する方針を決めた。
設置計画案の基本的な考え方をみると、新耐震基準の建物に建て替える。戸数は築30年を超える6棟を対象とし160戸程度とする。各住戸のセキュリティーや設備を含め快適な居住環境を提供するほか、看護師間の交流を促す現代のニーズにマッチした施設を併せて整備する。
24時間対応とし、看護師の勤務体制に対応した保育施設を併設する。将来の社会情勢に配慮した保育・学童保育施設を想定。現代のニーズに対応した保育施設とし、保育内容の充実を図っていく。
そのほか▽環境負荷の低減につながる設備▽建物の建設・維持管理コストの縮減▽周辺環境に調和した建物デザイン▽施設の長寿命化──にも配慮する。
建設計画地は病院敷地の北西に位置する西体育館などの跡地約4000平方m。看護師宿舎は160戸規模、併設する保育所は約100人規模を想定。施設はRC造8階建て延べ6300平方m規模、概算事業費は約18億円としている。
看護師宿舎は、全部で9棟があるが、そのうち6棟が築30年以上を経過し、老朽化が進んでいる。3棟は昭和56年の新耐震基準以前に建築されたものであることから、耐震性にも課題がある。
さらにこうした宿舎の多くが、各室内にトイレや浴室、洗濯機がない状況となっており、居住ニーズから大きくかけ離れている。
安全・安心という最低限の居住条件の確保に加え、現在のニーズに対応した快適な居住環境の提供という面で大きなハンデとなっており、今後の看護師の採用・定着のためには早急な改善が必要となっている。
院内保育所は、築37年が経過し老朽化している。現在のニーズに対応した新しい院内保育所を看護師宿舎に併設し、安心して就業できる環境を整備する必要がある。乳児保育や学童保育所も併せて設置し、保育内容などの充実を図ることも必要となっている。
開会中の市議会定例会に「地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院中期計画の変更に係る認可について」の議案を上程している。議案が承認され次第、基本・実施設計を委託する考えで、30年度の着工、32年3月の入居開始を目指す。