週休2日試行で契約へ 年度内に数件の発注検討(千葉市)
[2017/9/13 千葉版]
千葉市建設局は、今月5日に開札した一般競争入札で道路部街路建設課が発注した工事を「完全週休2日制」のモデル工事に位置付け、近く契約する。市では今年度に入り、完全週休2日制モデル工事を発注する旨を示しており、今回発注された工事が初の適用となった。市では工事の内容や条件、工期などを見定めながら、今後も年度内に数件の発注を検討しているといい、適用可能な案件の精査を進めている。
今回初の適用となった案件は「南町宮崎町線擁壁築造工事(29-1)」。7月31日に総合評価落札方式による制限付一般競争入札が公告され、同日から8月4日まで参加申請を、8月8日から9月4日まで入札書をそれぞれ受け付けた。
入札には5者が参加表明したが、うち4者が開札日までに辞退。8900万円(税抜き)を入れ札した白川土建(千葉市若葉区)が落札者となっている。
この工事は中央区宮崎町地内で擁壁を築造するもので、業種は土木一式工事。内容をみると、工事延長は220mで、擁壁の延長は178m。内訳は補強土壁工178m(壁面A910平方m)と路体盛土工V2900㎥、管理用通路の舗装工としてA98平方m(路盤RC-40・t100、表層再生密粒度As13・t40)などとなっている。
市は今年6月に完全週休2日制モデル工事を試行する方針であることを公表。年度内に数件で実施するとし、以降の実施に向けて、実際に発生する課題などを抽出していくとしていた。対象工事は同建設局所管の土木・舗装工事としていたが、他工種でも適当と思えるもので検討していく方針だ。
「完全週休2日制」の試みは、ここ数年の国や県の取り組みにならったもの。建設産業における技能労働者の減少傾向が続き、担い手の確保が喫緊の課題となる中、長時間労働の是正や、休日の確保に向けた環境の整備を進める上での課題を抽出することを目的としている。
実施に当たっては、入札公告や特記仕様書で、同案件が完全週休2日制モデル工事であることを明示。やむを得ず土日に作業する場合には振替休日を確保することとしている。
また、週休2日相当の現場閉所が実施できたと認められる場合には、工事成績で評価。市では週休2日制のモデル工事について、比較的店舗や住宅の立ち並ぶ場所での施工が比較的多く、曜日や時間などの制約が多い傾向にあるなど、国や県の試行工事には少ない千葉市ならではのケースなども想定できるとし、これらを考慮しながら慎重に案件を選んでいきたいとしている。
併せて受注者には施工完了後に実際の週休2日制の状況について説明を求めるとともに、市では関連する建設関連団体などにも今後の受注希望の有無や意向などを確認していきたいとしている。