WTO出島架橋本体工 高度II型で19日公告 中路アーチ橋の設計施工(県出納局)

[2017/9/13 宮城版]
 県出納局は12日、出島(いずしま)架橋の本体工事について、入札概要を事前公表した。WTO対象案件として、19日に一般競争入札を公告する。入札には高度II型の総合評価方式を適用。3社で結成する特定JVを対象に入札参加を募り、技術提案を経てから来年2月中旬以降に開札する予定。受託者には出島架橋の詳細設計と施工を一括して発注する。

 工事名は「町道女川出島線出島架橋本体工事」。発注額が24億7000万円を超えるWTO対象案件となる。

 入札の参加対象は、3社で結成する特定JV。その構成は、2社が土木一式工事の登録企業。残り1社は鋼橋上部工工事の登録企業とする。

 19日に高度II型の総合評価方式を適用する一般競争入札を公告する。高度II型の場合、最初に入札参加を募り、参加資格を満たした通過者には設計・施工に関する技術提案書などの書類を提出してもらう。その後、工事を所管する土木部道路課が参加者との技術的な対話を行い、各社の提案を比較して標準的な設計・施工内容を決める。それを元に予定価格を試算し、開札日や予定価格を示す追加の入札公告を改めて行う。

 高度II型の入札は通常、公告から開札まで4~5カ月を要する。それを考慮すると、19日に入札公告後、10月上旬ごろまで入札参加を受け付け、11月上旬から中旬をめどに技術提案書の提出を求めるものと見られる。開札は今のところ来年2月中旬以降を予定している。

 出島は牡鹿郡女川町の東岸にある離島。東日本大震災を機に島民の安全確保が重視され、昭和50年代からあった長大橋の建設構想が具体化した。同町竹浦の海峡に、本土と結ぶ橋長364mの鋼中路式アーチ橋を架設する。町道女川出島線2920mの整備は女川町が事業主体となっており、橋の設計・施工を県が受託している。

 鋼中路式アーチ橋は、気仙沼市に架設された気仙沼大島大橋と同じ構造。幅員は6・5mで、車道2車線(5・5m)を確保する。歩道はないが、歩行者も通行できる。

 同橋の概略設計は中央復建コンサルタンツ、基本設計は大日本コンサルタントが担当した。本工事では詳細設計から進め、下部工工事では逆T式橋台2基、壁式橋脚2基などを建設する。上部工は工場製作し、その後、現場に移送して架設する。完成は34年度中を見込む。

■県出納局 9月19日公告予定案件(開札:30年2月中旬以降)

工事名
(施工地)
工種・等級 工  事  概  要
町道女川出島線
出島架橋本体工事
(女川町竹浦
~出島)
WTO対象
3者による特定JV
・鋼橋上部工:1者
・土木一式工:2者
橋長:364m(アーチ支間長:314m) 幅員:6.5m(歩道なし)
●上部工(鋼中路式アーチ橋):製作、架設一式
●下部工:逆T式橋台2基、壁式橋脚2基、深礎くい4本
●詳細設計:一式 

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