庁舎再整備設計を横河 延べ4500平方mで建替へ(千葉県柏市水道部)
[2017/9/9 千葉版]
千葉県柏市水道部総務課は、同部庁舎(千代田1-2-32)の再整備基本設計と実施設計業務の委託について、公募型プロポーザル方式による審査の結果、横河建築設計事務所(東京都品川区)を最優秀提案者に選定したと8日発表した。延べ約4500平方m規模で建て替えを計画しているもので、建設費として約32億円(税別)を概算。プロポーザルでは同社を含め3者から応募があり、プレゼンテーションとヒアリング審査も3者で実施。横河建築設計事務所とは今後協議の上、契約する見通しだ。
同業務の税込予定額は1億6000万円。水道事業会計の29年度予算に、同額を総額とする2カ年継続費(年割額は29年度4500万円、30年度1億1500万円)が設定されている。履行期限は30年11月30日とした。
建て替えを計画しているのは、現庁舎敷地内の第一水源地に当たる敷地4327平方m(登記)。用途地域は近隣商業地域で、建ぺい率80%、容積率200%。建物規模(延床面積)はおおむね4500平方mとし、構造については設計の中で決定する。予定建設費約32億円の内訳は、建築工事費が約19億円、既設撤去工事費が約5億円、水道施設整備費が約6億円、電気設備・場内整備費等が約2億円などとなっている。
現地建て替えに当たっては、現庁舎を使用しながら建設工事を実施できるよう、敷地南側の現ポンプ棟の位置に建設。発注方式は基本計画の中で、最も早期の事業完了が見込める従来型発注方式(設計施工分離発注方式)を採用することが盛り込まれている。
同部庁舎は昭和45年に竣工し、2度の増築を経た建築物。平成14年に実施した耐震診断によって目標値を満足しないと判定されたほか、老朽化の進行などに伴い抜本的な改善策が必要となっていた。このため同部では、29年4月に同部庁舎再整備基本計画をまとめ、災害に強い水道事業運営拠点への再整備を図るための考え方を整理した。
今回のプロポーザルで委託契約しようとする業務は、老朽化した庁舎の建て替えに伴う建築設計が主体となり、基本計画で示されている再整備事業の内容は[1]既存施設・設備の解体撤去[2]新庁舎の建設[3]既設井戸の改修(または掘替え)及び耐震性貯水槽設置を含めた応急給水機能の整備[4]既設井戸の常用水源としての再利用(第三水源地への導水)[5]水道事業の効果的な啓発機能や住宅地という立地を踏まえた周辺環境との調和、地域に開かれた施設機能の確保[6]外構等の整備──などとなっている。
プロポーザルに当たっては、再整備事業の進め方(設計業務を含めた事業完了までの全体工程)について工程計画案を示すとともに、大まかな考え方についての提案を求めるほか、技術提案では水道部庁舎再整備基本計画を踏まえた上で▽水道災害対策拠点としての考え方▽環境負荷、ライフサイクルコストの低減に向けた考え方▽水道庁舎らしさなどに関する考え方──の3つのサブテーマごとの提案を行うこととしていた。