基本設計を日本工営 旧迫川 箟岳揚水機場の改築(北上土地改良)
[2017/9/8 宮城版]
農林水産省北上土地改良調査管理事務所は、旧迫川地区の国営応急対策事業で、箟岳揚水機場の改築基本設計業務を日本工営(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。契約額は税抜2634万円。同事業の箟岳幹線用水路原因究明等調査その他業務はNTCコンサルタンツ(東北支社・仙台市泉区)と税抜910万円、経済効果算定その他業務はサンスイコンサルタント(仙台事務所・仙台市青葉区)と税抜1620万円で契約した。
箟岳揚水機場は、揚水能力が毎秒3.1t、排水能力が同4.4tの規模。経年劣化で油漏れによる主ポンプの故障などが起きている。改築は、現在のポンプ設備などを稼働させながら、近隣に新しい揚水機場の建設を想定している。
箟岳幹線用水路は、全長約2.8kmで、うち500m区間が沈下したため、原因究明等調査業務で対策工法を検討する。調査対象区間はコンクリートの3面張りで、幅が2m30cm、高さが1m50cm。同業務には、南方幹線用水路の機能保全計画の見直しも含まれている。
旧迫川地区の経済効果算定その他業務は、受益面積の整理や経済効果の算定を行う。業務成果は事業計画の基礎資料とする。
今回委託した業務3件は、いずれも簡易公募型プロポーザルで事業者を選定した。3件とも契約日が7日で、履行期間が30年3月16日まで。
旧迫川地は、登米市と涌谷町にまたがる水田地帯。昭和41~53年の国営かんがい排水事業で、箟岳を含め揚水機場6カ所、幹線用水路7路線、幹線排水路6路線などが整備された。
国営施設応急対策事業では、箟岳揚水機場の改築と、箟岳幹線用水路の改修を予定しており、30年度に事業計画を作成し、31年度に土地改良法の手続きを進め、32年度の着工を予定する。
昨年度は、同地区の整備構想策定その他業務をNTCコンサルタンツに委託。この業務では軟弱地盤上にある施設の耐震性に重点を置き、揚水機場や幹線用水路、幹線排水路などの健全度と耐震性能を調査した。