バルクリースで債務 市施設の照明・空調更新へ(千葉県我孫子市)
[2017/8/29 千葉版]
我孫子市の星野順一郎市長は、28日に開会した市議会9月定例会に、一般会計補正予算案を提出した。同会計に1億4400万円を追加し、総額を378億2400万円とするもので、主なものでは低炭素設備導入賃貸借(バルクリース)に30~40年度を期間とする限度額3億1037万円を設定するとともに、別途その調査費を計上しているのが目立つ。
バルクリースは、リース手法で複数の施設を一括で改修、初期コストを低減しながらコストメリットを受けるリース方式で、中小規模の地方公共団体が地域のリース業者や地元の工事業者などを活用し、複数の公共施設を一括して省CO2改修することで、地域内で資金を循環させながら公共施設を一括改修するスキームのモデルを形成するのが目的。
我孫子市では老朽化により更新時期にある照明と空調設備を有している施設を中心に、稼働率の高い既存施設の省エネルギー化を図るため、低炭素設備の導入調査を進めるための委託料1954万円を計上。施設ごとにエネルギー使用量などの現状を把握し、導入の可否を判断していく考えだ。
調査に併せて市では、年度内にリース業者を公募型プロポーザルで選定する考え。調査の対象とする施設は各近隣センターや生涯学習センター、市民体育館、鳥の博物館、保健センター、消防署など21施設を予定している。
建設関連ではこのほか、手賀沼親水広場の「じゃぶじゃぶ池」について、設備の老朽化や故障により、池の水のろ過や滅菌に支障をきたしているとともに、経年劣化で生じた池底や池縁の亀裂から湧水とともに土砂が流入し、水質の悪化やポンプの故障の原因になっているため、改修工事に向けた設計委託料735万円の確保を図る。
また、白山跨線人道橋の修繕工事に伴う負担金について、JR東日本との年度内の負担協定締結が困難なため、当初予算で盛り込んだ4500万円を減額する一方、28年度に実施した定期点検で早急に補修することが必要と判明した6橋について、補修設計と工事を実施するため、委託料800万円と工事費2500万円の確保を図る。
今回の補正案ではこれらに加え、焼却炉の運転業務委託として期間を30~32年度・限度額3億1617万円、また市民体育館などの指定管理委託料として期間30~34年度、限度額4億9660万円の債務負担行為を設定する。
また、1億0597万円増の総額34億2952万円とする公共下水道事業特別会計では、繰越金1億0379万円をそのまま予備費に計上する。