地域包括ケア整備へ調査 企画提案を公告(千葉県立佐原病院)
[2017/8/22 千葉版]
千葉県立佐原病院事務局医事経営課は21日、地域包括ケア体制の整備に向けた調査やコンサルティング事業を実施するため、委託者の企画提案の募集要項などを明らかにした。24日には同病院南館1階多目的ホール(香取市佐原イ2285)で説明会の開催を予定するとともに(参加希望者の出席は任意)、企画提案書などを9月15日まで受け付け。同下旬の1次審査(書面)と結果通知、2次審査(プレゼンテーションとヒアリング)、最優秀提案者の選定を予定している。
今回の募集で委託額の上限に450万円(税込み)を設定。委託期間は30年3月31日までとした。参加資格は県の物品等入札参加業者適格者名簿(委託)の当社医者であることなどとしている。
病院長をはじめとする医療従事者らで構成する審査委員会による審査に当たっては▽専門性、地域医療、本県の医療に対する認識▽動機及び業務内容の理解度▽提案内容の妥当性▽分析・解析のアイデア▽経費▽取組意欲──の項目で採点。参加に当たっての質問は9月8日まで受け付ける。
業務の内容は▽現状の医療提供体制や経営上の問題点を点検し、改善すべき方向性の提示▽トータル分析による医療ニーズの捕捉とマーケティングに基づく地域連携や集患方法等の提示▽病棟編成を視野に入れた次期診療報酬の改定動向を見据えた診療体制の整備の提案──。コンサルティングでは急性期や地域包括、在宅医療、訪問看護を狙いとする対象患者の明確化これらも含めた患者循環と報酬獲得の仕組みづくり、病棟再編、地域包括ケア体制の構築、院内のデータを活用した経営体制の整備、地域医療連携室の体制強化を進める。
同案件は、6月に策定した県立病院新改革プランにおける、地域包括ケアシステムの構築に向けた同病院の果たすべき役割を実現するための調査と実施計画、体制づくり計画の策定を支援するのが狙いで、併せて30年4月の診療報酬改定を見据え、医療収益を確保して経営を安定させ、持続可能な病院を実現するための病棟や診療体制、在宅医療・訪問看護など地域包括ケア体制のあり方を、具体的な疾病データの解析や医師の現況などに合わせて検討することによるコンサルティングも求める。
同病院については耐震改修が計画されており、7月には工事手順などを検討して基本計画を策定する病院運営影響等調査業務を、公募型プロポーザルで最優秀提案者に選定した病院システム(東京都豊島区)に委託。同病院を取り巻く周辺状況の変化を踏まえ、運営・経営面への影響を精査するとともに、耐震改修が地域医療と病院経営に与える影響を最小限に抑えることを前提とした改修計画を策定している。
同病院では今回の地域包括ケア体制の整備に向けた調査やコンサルティング事業を耐震改修とは別に進める考えで、強化型訪問看護ステーションと居宅介護支援事業所を併設している同病院では、県立病院機能を生かした地域包括ケアシステムモデルづくりに取り組んでおり、在宅医療部門の強化に向け、在宅医療・地域包括ケアを担当する医師を募集している。