WTO大谷海岸防潮堤 きょう、一般競争公告 国道45号との兼用堤建設(県出納局)

[2017/8/8 宮城版]
 県出納局は8日、本年度最初のWTO対象案件となる「大谷地区海岸防潮堤ほか整備工事」の一般競争入札を公告する。海水浴場としてにぎわった大谷地区海岸(気仙沼市)の再生に向けて、国道45号と防潮堤を一体的に整備する。3社で結成する特定JVを対象に、25日まで入札参加を受け付ける。予定価格は36億0754万2000円。標準型(施工計画型)の総合評価方式を適用し、9月29日に開札する。

 大谷地区海岸防潮堤ほか整備工事の入札参加対象は、県の特定調達参加資格のうち、土木一式工事に登録している企業3者で結成するJV。代表者の要件は、経審の土木一式工事の総合評定値が1200点以上。構成員のうち1者は950点以上、もう1者は850点以上となっている。各者とも▽土木一式工事の特定建設業の許可▽監理技術者の配置──が必要。

 入札参加申請書などの書類は、25日まで出納局契約課に持参する。設計図書の閲覧・貸出は9月27日まで。入札書は同28日まで、配達証明付き郵便で送付する。

 施工地は気仙沼市本吉町三島地区の大谷地区海岸。同海岸は東日本大震災前、県内有数の海水浴場としてにぎわっていたが、地盤沈下などの影響で砂浜の多くが消失した。同地区での防潮堤整備は、地元住民が砂浜の再生を望んでいるため、法線の設定などを巡って時間を要した。協議の結果、県は当初より山側に法線を下げ、砂浜の用地2.8haを確保することにした。

 本工事では、同地区を通る国道45号980mを現位置のままかさ上げする。路体盛土量は8万3330立方m。かさ上げした国道の南側に2割5分の勾配をつけ、国道と一体となる兼用堤677mを整備する。高さは海抜9.8m。築堤盛土量は5万3000立方m、のり覆護岸工は1万6446平方m。防潮堤の南東側には、林野庁が400m程度の防潮堤を建設する。

 国道の北側は、気仙沼市が国道と同じ高さに土地をかさ上げし、まちづくり事業を推進する。同地には「道の駅大谷海岸」を移設する。工事中に国道の通行を確保するため、まちづくり事業の用地内に切り回し道路989mを整備する。工期は32年12月25日まで。

 兼用堤の設計業務は建設技術研究所(東北支社、仙台市青葉区)が担当。県は同社と復建技術コンサルタント(仙台市青葉区)の設計JVに、発注者支援業務も委託している。

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