新庁舎の基本計画策定 久米設計が落札候補 32年度の工事着手(大崎市)
[2017/8/3 宮城版]
大崎市は2日、「大崎市役所本庁舎建設整備基本計画策定等業務」の一般競争入札を開札した。848万8000円で久米設計(東北支社・仙台市青葉区)を落札候補者に決定した。今後、資格審査の後に正式な落札決定を行う。業務履行期限は30年3月20日までにまとめる。基本設計は30年度、実施設計を31年度に委託し、庁舎建設と既存施設の改修は32年度から33年度の2年間で計画。供用開始は34年度を目指している。
同業務では老朽化した市役所本庁舎を建て替えるため、施設の機能や規模、整備計画について調査・検討を行い、市民生活の安全・安心の確保、行政機能の集約・効率化、地域活力の創出につながる庁舎建設に向けた基本計画を作成する。
新本庁舎の建設場所は現庁舎北側に隣接する第2駐車場。新施設に必要な規模は常勤職員547人と非常勤職員169人の計716人から算出し、必要床面積は1万7000平方mを見込んでいる。現段階の計画では建設予定地に隣接する旧大崎市民病院南病棟(7117平方m)や東庁舎(3335平方m)の活用も視野に入れているため、新庁舎の規模は1万平方m程度と想定している。
大崎市役所本庁舎建設プロジェクトチームが作成した本庁舎建設の基本理念や基本方針、庁舎機能などの検討事項では▽みんなが利用しやすく親しみを持てる庁舎▽災害に強く、情報・交流拠点となる庁舎▽環境へ配慮し管理コストも考慮した庁舎──を基本方針として、庁舎機能には子育て世代や高齢者にも配慮し、ワンストップサービスを意識した機能的な配置、執務環境とセキュリティー機能の向上、災害防災拠点機能として災害対策室や会議室を設け、緊急避難場所の機能として物資や飲料貯水施設を整備するほか、仮眠室やシャワー室の設置なども検討していく。
庁舎のデザインは管理コストの軽減や長期耐久性、エネルギーの効率性を踏まえ、シンプルで機能的な自然と調和するものを想定している。
総事業費は約52億円を見込んでいるが、既存施設の活用の仕方により大きく変動することから、基本設計の段階で再度、具体的な積算を実施する見通しだ。