築堤600mを来月公告 国道45号かさ上げと一括 気仙沼の大谷海岸(県)

[2017/7/28 宮城版]
 県は、来月に「大谷地区海岸防潮堤ほか工事」の一般競争入札(WTO)を公告する意向だ。県議会11月定例会で工事請負契約の承認を得る考え。同工事は、気仙沼市の大谷海岸に、国道45号との兼用堤として延長600mを築堤する。45号は延長950m区間をかさ上げし、防潮堤の高さに合わせる。45号の切り回しも施工範囲に含まれており、概算工事規模が24億7000万円超。工期は36カ月を見込んでおり、32年度の完成を目指す。

 大谷海岸の防潮堤は、海抜9.8mの高さで、海側が2割5分勾配の階段ブロック状となる。天端は国道45号に利用し、国道沿いの陸側は気仙沼市が兼用堤と同じ高さに土地をかさ上げし、道の駅「大谷海岸」などを整備する計画になっている。

 45号は、現地盤から7.4mほどかさ上げすることになる。築堤工事に伴って交通のう回ルートを確保するため、延長1kmほどを陸側に切り回す。この切り回し道路は、気仙沼市がかさ上げする土地の中を通す。

 工事のスケジュールは、本年度の第4四半期から1年ほどかけて切り回し道路を整備し、30年度の第4四半期から32年度の第2四半期までにかけて築堤するとともに、31年度の当初から32年度の第3四半期にかけて45号をかさ上げする予定になっている。

 兼用堤の設計業務は、建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)が担当。築堤工事の発注者支援業務は、建設技術研究所・復建技術コンサルタント(仙台市青葉区)JVに委託した。

 県(気仙沼土木事務所)が築堤する延長600m区間より本吉町三島側は、海岸線が南側に向かって湾曲している。ここには、林野庁の宮城北部森林管理署が延長390~400mにわたって防潮堤を築き、県の防潮堤と擦り付ける。湾曲している関係で国道45号とは枝分かれするため、兼用堤にはならない。

 同署が設ける防潮堤は、海抜9.8mの高さで、海側が1割5分勾配、天端幅が4m、陸側が2割5分勾配の台形CSG堤防となる。CSGは、セメントや砂にコンクリート殼などを混ぜて材料を作る。防潮堤の海側では、400mにわたって既存の護岸を災害復旧する。年度内に護岸の復旧工事、30年度に築堤工事を発注し、31年度ごろの完成を目指す。

 同署の防潮堤からさらに南側は、県(気仙沼地域振興事務所)が日門漁港の付近に延長約60mにわたって防潮堤を築く。この防潮堤は海側、陸側ともに2割5分勾配で、被覆ブロックを用いる。設計は中央コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)がまとめた。

 築堤工事は「三島防潮堤工事」として第4四半期に一般競争入札で発注する見通し。概算工事規模は1億~5億円で、工期が約12カ月となる。

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