新岸壁はケーソン式 仙台港 向洋地区に延長190m(塩釜港湾・空港)

[2017/7/21 宮城版]
 国土交通省塩釜港湾・空港整備事務所は、仙台塩釜港仙台港区の向洋地区に延長190mのマイナス14m岸壁を整備する計画で、岸壁の構造に重力式(ケーソンタイプ)を採用した。岸壁本体に用いるケーソンの数は14函程度を想定している。さらに2函程度を小口止めとして用いる考えだ。新岸壁の設置に向けては、19日付で実施設計業務の簡易公募型競争入札を公告している。年度内にはケーソンの配筋設計などを別途、委託する予定。

 向洋地区には現在、延長310mのマイナス12m岸壁と、その海側に延長330mのマイナス14m岸壁が連なる形で設けられている。新岸壁は、既存のマイナス14m岸壁から沖側に延伸する形で配置し、岸壁全体を一連で国際海上コンテナターミナルに活用する。

 新岸壁に関しては昨年度、構造検討業務をパシフィックコンサルタンツ(東北支社・仙台市青葉区)に委託し[1]矢板式[2]重力式[3]桟橋式──の3タイプを比較検討した。その結果、重力式を採用した。

 19日付で公告した実施設計業務は、工事に必要な発注図書の図面の作成と、掘削土量などの数量計算をまとめる。履行期間は30年2月28日まで。

 入札の参加資格は、東北地方整備局(港湾空港関係)から建設コンサルタント等業務がA等級の資格認定を受けていることなど。28日まで参加表明書を受け付け、提出社の中から10社程度を選び、8月7日に指名通知した上で、8月23日まで技術提案書を求め、開札後に総合評価で委託先を決定する。

 新岸壁の整備に当たっては、既存の船溜りを埋め立てるため、最初に船溜り周辺の防波堤を撤去する。代わりの船溜りは、向洋埠頭の先端部分から沖側2カ所に新しい防波堤を設け、その背後に確保する。新岸壁の工事は31年度ごろに着手する見通し。

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