年明けに複合ビル新築 石巻中央2-4南の優良建築 地権者が共同化で

[2017/7/20 宮城版]
 石巻市の中央二丁目4番南地区商業地活性化協議会(近藤末雄会長)は、分譲住宅・店舗ビルの新築に向け、来月から既存施設の解体工事を進める予定だ。新築設計を担当するアイテック計画(東京都新宿区)によると、解体工事は月内に指名競争入札を開札し、施工者を決める。すでに数者を指名済み。解体の工期は4~5カ月を見ており、新築工事が年明けの着工となりそうだ。

 分譲住宅・店舗ビルは、近藤会長ら複数の地権者が敷地を共有し、復興交付金の優良建築物等整備事業(優建事業)を活用して建てる。建物はRC造12階建て延べ6886平方mのビルと、1244平方mの立体駐車場・駐輪場で構成する。ビルは高さ約41mのタワー型を構想。敷地は面積が1811平方mで、平面の駐車場や多目的広場なども設ける。

 ビルの1階には店舗4区画と管理室など、2階に店舗3区画とトイレ、展示室など、3~12階に68戸分の住戸を配置する計画になっている。住戸は66戸が分譲住宅で、残り2戸が権利者住宅とする。展示室の利用方法は未定だが、震災関連の資料を置くことになりそうだ。

 3月時点では、ビル新築の総事業費が約32億円で、うち建設費に約24億円を試算していた。新築工事は当初、10月までに指名競争入札で発注する予定になっていたが、解体の着手が遅れており、年明けにずれ込みそうだ。31年3月の竣工が当初の目標だが、こちらも流動的となっている。

 同地区の優建事業は、石巻市が第17回復興交付金申請で既存施設の除去費や、土地の整地費、補償費として事業費ベースで5億2100万円を復興庁に申請し、交付可能通知を受けた。さらに18回申請では、29年度分の新築工事費に1億9370万円が認められた。

 新築に向けては、基本・実施設計をアイテック計画、地盤調査をアサノ大成基礎エンジニアリング(東京都台東区)、現況測量を東北都市整備(石巻市)、建物調査を新都(東京都豊島区)、土地評価を日本不動産研究所(東京都港区)が担当している。

 同地区は、大震災の津波被害を受けたため、商店などを構える地権者が既存の住宅・店舗等を取り壊し、跡地に共同で複合ビルを建設する。協議会の会員は5人。市も地権者の中に含まれているが、会員になっていない。

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