県有建築物の耐震化状況 保留含め未補強76棟(県土整備部)
[2017/7/26 千葉版]
耐震化が必要となる主要な県有建築物の耐震改修時期等をリスト化した「耐震化整備プログラム」に基づき、耐震化を推進している県は、29年4月1日現在の耐震化状況を24日公表した。県土整備部施設改修課が取りまとめたもので、主要な県有建築物1万2063棟のうち、未補強は76棟(2期改修18棟、建替・廃止等17棟、保留等41棟)で、耐震化率は96.3%となった。未補強のうち誉田給水場の四拡配水ポンプ室については、31年度に着工する予定だ。
県有建築物の整備プログラムでは、耐震化状況で公表している建築物(特定建築物及び震災時に応急活動拠点となる建築物等)のうち、補強が必要と評価されている建築物及び旧耐震基準で耐震診断が未実施の建築物を対象としている。
耐震改修については、32年度内での早期の完了を目指しており、特定建築物は建築物の耐震性等を考慮して2期に分けて対応。原則として構造耐震指標値(Is値)が著しく低く、地震の震動及び衝撃に対して倒壊または崩壊の危険性が高い建築物を対象とする第1期の整備対象施設については全て耐震化を完了。
原則としてIs値が低く、地震の震動及び衝撃に対して倒壊または崩壊の危険性がある建築物を対象とする第2期では、特に同プログラム策定後に実施した耐震診断により、新たに判明したIs値が著しく低く、地震の震動及び衝撃に対して倒壊または崩壊の危険性が高い建築物等を、21年度以降に優先的に実施している。
特定建築物以外の震災時に応急活動拠点となる建築物等については、建物の用途、Is値、構造、規模等を考慮して整備を行うものとし、第1期の整備対象施設については全て耐震化を完了。21年度以降に行うものを第2期としている。
誉田給水場(千葉市緑区おゆみ野6-33-1)の四拡配水ポンプ室については、誉田給水場四拡ポンプ棟耐震補強実施設計業務として6月1日の指名競争入札で、構造設計を千都建築設計事務所(千葉市美浜区)に県水道局施設整備センターから委託(委託額1255万円)。
県水道局浄水課では、具体的な時期は未定としているが、意匠設計を今後委託し、工事費が確保できれば、31~32年度で耐震改修工事を行う計画。既存施設は昭和51年の完成で、RC造4階建て延べ3938平方m(Is値0.67)の構造・規模。
29年度に着工を計画している施設では、市川警察署と鴨川警察署の耐震改修がある。市川警察署については、7月21日付で一般競争入札の実施を公告。鴨川警察署(鴨川市横渚1465)はRC造2階建て延べ918平方mの構造・規模で、構造設計を佐藤建築構造設計事務所(船橋市)、意匠設計をU建築設計事務所(木更津市)が担当し、第1四半期に発注の予定。
農林総合研究センターの新本館(千葉市緑区大金沢町)については、2月議案として発注する予定。建替規模はRC造2階建て延べ約5730平方mで、設計は安井建築設計事務所(東京事務所・東京都千代田区)が担当。
総合スポーツセンターの野球場については、耐震・大規模改修工事実施設計が榎本建築設計事務所(千葉市中央区)で進んでおり、30~31年度の工事が予定されている。
このほか、千葉市にある乳児院(RC造2階建て延べ584平方m)、資産管理課分室の事務所庁舎は29年度に廃止し、栗山浄水場(松戸市)の一拡作業棟(RC造2階建て延べ432平方m)は解体する予定。
建替・移転予定の香取合同庁舎、消防学校、衛生研究所、香取健康福祉センター、衛生研究所神明合同庁舎、香取土木事務所は工事中。耐震改修する栗山浄水場の二拡管理本館(A棟)と同(B棟)、船橋給水場の管理本館、成田給水場のポンプ棟(管理部分)も工事中となっている。