東消防署 1600平方mで建替検討へ実施設計(千葉県八千代市)

[2017/7/15 千葉版]
 東消防署の建て替えを計画している千葉県八千代市消防総務課は、庁舎建設工事の実施設計業務を27日の指名競争入札で委託する。延べ床面積約1600平方mの規模を想定して、6月補正予算で設計費4678万6000円を確保しており、30年度に建築工事に着手して、31年中に完成させる計画だ。

 東消防署については28年7月27日に開札した一般競争入札で、豊建築事務所(東京都港区)に基本設計を委託し、29年1月31日までの工期で基本設計を完了させている。現時点では、RC造2階建て延べ約1600平方mの構造・規模を想定しており、これをもとに実施設計を進める。

 6月補正予算では、設計費と同額について繰越明許費を設定。今後は、遅くとも30年度は設計を完了させるとともに、建築工事に着手して、31年中に完成させる計画。移転作業と既存庁舎の解体を31年度内に完了させたい考えで、借地している既存庁舎の敷地は返却する方針。

 現在の東消防署庁舎(米本1932-1)は昭和50年7月に、米本分署として完成。新川東側の消防拠点となっている。構造・規模は、RC造2階建て延べ403平方m(建築面積256平方m)。建築以来約40年が経過し、給排水設備の老朽化が著しく、一部地盤沈下が進んでいる。新耐震基準以前に建てられた建物であり、災害時における拠点施設としての機能が危ぶまれている。

 出入口は国道16号に面しており、都市計画道路八千代中央線が開通したことにより、現庁舎よりの交差点が変更され、緊急時の出動に支障をきたしている。消防車両の出動の際には、交通渋滞が頻繁に発生する同線で柏方面に向かうのみのため、同線から東側にやや入った阿蘇小学校隣接地に用地を確保し、新庁舎を移転・改築することとした。

 29年度にはカトウ建築事務所(千葉市中央区)に業務を委託して、東消防署の耐震診断を進めている。これは、緊急防災・減災事業債が東日本大震災に係る復興・創生期間である32年度まで継続することとなったことに伴い、事業再活用の要件として耐震診断が必要なことによるもの。

 移転場所は米本2713-5、2714-1、2715-3地先の3筆(敷地面積約4981平方m)。すでに取得しており、25年度には伸光エンジニアリング(千葉市中央区)に、移転敷地地質調査業務を委託した。

 実施設計費が計上された予算案について審議した市議会6月定例会でも、東消防署については議論が進められ、6月20日には菅野文男議員(維新の党)の一般質問に対し、小澤義昭消防長が次のように答弁している。

 「東消防署を耐震構造にした理由については、国土交通省の技術基準である官庁施設の総合耐震・対津波計画基準を流用した中で、耐震安全性の最も高い、構造体がI類の基準を採用した。さらに、コスト面を考慮した結果、耐震構造とした」

 「東消防署へ女性専用ブースを設置する考えとしては、女性職員を配置し交代制勤務をすることで、住民サービスの向上や消防組織の強化が期待できる。本市において女性専用ブースを設けているのは中央消防署の1施設であることから、女性職員が幅広く活躍の出来る場を設けたいとの考えにより設置する。また、東消防署の女性専用ブースには、トイレやシャワー室などの水周りをはじめ、仮眠室を設置する」

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