庁舎整備に併せ 国道側敷地を活用へ (千葉市)
[2017/6/28 千葉版]
新たな庁舎の整備を進めている千葉市財政局管財課庁舎整備室は、「将来活用検討地」として位置付けた本庁舎敷地の一部について、その利活用方策を検討するため、ヒアリング協力者の募集を始めた。民間事業者の立地可能性を判断するためのもので、今後の新庁舎整備と、同検討地の活用計画を整合させるための基礎資料にするという。応募は7月25日まで受け付ける。
久米設計・隈研吾建築都市設計JVにより基本設計が進められている新庁舎の整備に当たっては、現在の計画では3万9669平方mある同敷地(中央区千葉港1-1)のうち、国道357号線側の一部が余剰する見通しとなっており、市では将来活用検討地とする方向で検討してきた。
同地で新規開発、または新規出店などの意向がある民間企業などを対象とするヒアリングに当たっては▽協力者が想定する事業内容▽想定する施設の規模、配置イメージ▽想定する事業期間▽今後の進め方に関する意見(民間事業の事業着手希望時期、事業開始までの準備スケジュールや市との協議方法、その他本庁舎敷地の民間活用に向けた意見・提案等)──などをヒアリングで得たい考えだ。
この調査は、新庁舎整備に当たってのPFI等可能性調査業務の一環として実施するもので、同業務は今年5月のプロポーザルで、PwCアドバイザリー合同会社(東京都千代田区)が選定されて履行している。
ヒアリングの参加希望者には、エントリーシートとヒアリング事前調査票(いずれも同市ホームページからダウンロード可能)の提出を求めている。ヒアリング内容は権利や利益を害する恐れがある場合は非公開とするなど柔軟に対応するとした。一方、ヒアリングの協力者は今後の事業に当たって優先的な立場を持つものではなく、事業参画に制約は受けないこととしている。
先に示された基本設計方針によると、新庁舎は必要規模として延べ4万9000平方mを設定。事業費には移転費などを含めて298億円ほどを概算しており、コンストラクション・マネジメント(CM)を実施するアドバイザリー業務を山下ピー・エム・コンサルタンツ(東京都中央区)に委託するなどしている。
基本設計者を決めるプロポーザルで久米・隈JVは、3階以下の非免震構造体を高強度・高剛性のRC造として、大きな地震や津波にも抵抗できる「中間層免震」構造の採用や、L字型となる新庁舎を経済的な高層オフィス棟「オフィスボックス」と、公園や並木と一体となったヒューマンスケールの低層棟「みどりの丘」で構成、エントランス空間中央に「市民ヴォイド」(吹き抜け)を設けて、光や緑をフロア内部の窓口カウンターまで取り込み、5階部分に議会機能を集約させることなどを提案。PFI可能性調査の結果とともに、9月末にもまとまる見通しだ。