東京建設コンで設計 吉田川上流の築堤・掘削 水理検討はパシコン(北上川下流)
[2017/6/17 宮城版]
国土交通省北上川下流河川事務所は、吉田川上流の河道等検討業務を東京建設コンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)に委託した。契約額は3700万円。同業務では、延長約1kmの築堤や、延長3kmの河道掘削に向けた詳細設計などをまとめる。同じ吉田川上流の水理検討等業務は、3680万円でパシフィックコンサルタンツ(同)に委託した。
吉田川上流の堤防整備は、既存堤防の上を2mほど盛土して計画高まで完成させる。整備延長は、黒川郡大和町落合付近で吉田川、善川、竹林川の3河川が合流する地点より下流側が、左右岸合わせて約780m。そこから1.5kmほど上流部が左岸側の約250m。
河道掘削は、3河川の合流地点から上流側の国道45号までが国直轄区間となっており、対象延長が3kmで、掘削量が約36万立方mを見込んでいる。
河道等検討業務では、この築堤と河道掘削の詳細設計を作成するほか、地形測量や応用測量を行う。履行期間は12月8日まで。事業者の選定は公募型プロポーザルで進めた。プロポで東京建設コンサルタントは、維持管理コストを最小限に抑える河道断面などを提案し、高い評価を得た。
水理検討等業務は、吉田川上流に設ける遊水地群の模型を設計・製作し、洪水の越流実験などを行って整備効果を検討する。履行期限は30年1月26日。事業者の選定プロポでは、パシフィックコンサルタンツが効率的に越流量を確保できる円形堰などを提案し、評価された。
吉田川上流では、27年9月の関東・東北豪雨による浸水被害を踏まえ、本年度から床上浸水対策特別緊急事業を進める。国の直轄区間は、築堤や河道掘削、治水容量が200~300万立方mの遊水池整備などを計画しており、総事業費に128億円を試算。34年度の全体完成を目指す。