東部公民館など複合施設で基本構想 来年度に基本設計(千葉県船橋市)
[2017/6/15 千葉版]
千葉県船橋市社会教育課は14日、東部公民館等複合施設建て替え基本構想を公表した。PFI方式を採用せずに公設公営方式で、同公民館の現在地に複合施設を建設するもので、延べ床面積が4655平方mとなるC案を基本とする。29年度は、アドバイザーリー業務を委託して発注方式を検討するほか、基本構想で示されている最大ボリュームの活用などの課題を精査。30年度にも基本設計に着手したい考えだ。
既存施設は昭和52年の竣工。所在地は前原西2-642-1で、敷地面積約809平方m(容積率600%、建ぺい率80%)。RC造地下1階地上4階建て延べ約1903平方mの構造・規模で、公民館・連絡所棟などで構成する。JR津田沼駅から徒歩5分以内という場所に位置し、正面に新京成線の線路が走り、人通りも多く、周辺は建物が密集。また、公民館がコミュニティの中核的施設として、さらに、津田沼連絡所が併設された複合施設として多くの利用がある。
しかし、昭和52年に建築されてから40年が経過しており、老朽化が目立ってきていることから、建て替えについて検討を行い、隣接する消防分団器庫も含めて現在の場所で建て替えることとした。
これらを踏まえて28年度には、基本構想策定・事業手法検討調査業務をパシフィックコンサルタンツ(千葉事務所・千葉市中央区)に委託。同業務の成果を基に、新たな東部公民館等複合施設の目指す姿として基本的な方針を示すため、基本構想を策定した。
それによると発注方式については、公共施設の整備及び運営に採用される代表的な公設公営の事業手法として、公共が自ら資金調達のうえ、設計・建設は公共が民間事業者に分けて発注し、施設運営は公共自ら行う「従来方式」、公共が自ら資金調達のうえ、設計・建設を公共が民間事業者に一括発注して、施設運営は公共自ら行う「DB方式」が示されている
PFI導入可能性の検討では、定量的評価で一般的に期待されるVFM基準の達成が見込めないこと、定性的評価においてもPFI導入のメリットが少ないため、従来方式による整備が適当とした。公設公営の方式を採用した場合の各工程に必要な期間として▽1~2年度目:解体・基本・実施設計▽3~5年度目:解体・建築工事▽5年度目:供用開始──の案を示した。
施設整備の基本的な方向性では、民間事業者への意向調査で計画地周辺の商業施設は飽和状態にあり採算性の確保が難しいなどの意見が多かったことや、民間収益施設の活用可能性が低く、同施設を併設しても市の財政負担軽減にはつながりにくいと判断。施設規模を抑えながら既存施設の拡充を図るC案を基本案とした。
ただし、民間収益施設の併設がないため、容積率に余裕が発生することから、公共施設による最大容積活用の可能性やその用途も含め、地域住民・施設利用者の利便性向上や市有財産の有効活用に資する施設となるように、今後さらなる検討・協議を行うとしている。
施設構成を考えるにあたっての課題としては、最大ボリュームの活用の検討がある。基本案とするC案は容積率に余裕があり、津田沼駅に隣接する前原地区では将来的にも、人口の増加が見込まれていることや、津田沼駅周辺の高い利便性を考えると、公共併設施設等で最大限の活用を図るべきかどうかを今後検討する必要があるとした。
住民ニーズが高く、所管課からの要望もあり、実現の可能性が高いと考えられる出張所や駐輪施設は基本案であるC案に組み込んでいるが、▽連絡所の機能強化▽駐輪施設の設置──項目は、今後さらに検討が必要。
現時点で公設の計画がない一方で、地区住民・利用団体等アンケート調査で要望の多かった▽子育関連施設▽高齢者関連施設──については、建替事業の計画を精査していく過程で、併設の可能性について再検討が必要となるとしている。