新庁舎PFI可能性調査 PwCアドバイザリーを選定(千葉市)

[2017/6/1 千葉版]
 現地建て替えによる新庁舎の整備を計画している千葉市財政局管財課庁舎整備室は、同事業に伴うPFI等導入可能性調査業務のプロポーザルで5月31日、PwCアドバイザリー合同会社(東京都千代田区)を優先交渉権者に選定したことを明らかにした。募集要項では、履行期間を30年3月末まで、委託限度額に900万円(税抜き)を設定していた。

 プロポーザルの募集に当たって、参加を表明した4者が2次審査に進み、このうちPwCアドバイザリーは100点満点中89・4点を獲得して優先交渉権者に選定された。次点には日本経済研究所(東京都千代田区)が選ばれている(残る2者は非公表)。

 今回の導入可能性調査に先立ち市は、新庁舎の基本設計を久米設計・隈研吾建築都市設計JVに委託しており、成果は10月末にもまとまる見通しで、実施設計以降にPFI方式を採用するかの判断は、これに合わせたものとなる。

 契約後の受注者に委託予定の業務は、導入可能性調査として▽前提条件の整理▽発注方式の整理▽資金調達の検討▽市場調査▽比較検討モデルの設定▽リスク分担の検討▽PSCの算定▽VFMの検討▽総合評価▽課題等の整理──。8月末と12月末をめどにそれぞれ中間報告、最終報告を求めている。

 先に示された基本設計方針によると、新庁舎は必要規模として延べ4万9000平方mを設定。事業費には移転費などを含めて298億円ほどを概算しており、コンストラクション・マネジメント(CM)を実施するアドバイザリー業務を山下ピー・エム・コンサルタンツ(東京都中央区)に委託するなどしている。

 基本設計者を決めるプロポーザルで久米・隈JVは、3階以下の非免震構造体を高強度・高剛性のRC造として、大きな地震や津波にも抵抗できる「中間層免震」構造の採用や、L字型となる新庁舎を経済的な高層オフィス棟「オフィスボックス」と、公園や並木と一体となったヒューマンスケールの低層棟「みどりの丘」で構成、エントランス空間中央に「市民ヴォイド」(吹き抜け)を設けて、光や緑をフロア内部の窓口カウンターまで取り込み、5階部分に議会機能を集約させることなどを提案している。

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