一般会計964億円を肉付け がんセン新棟、債務含め255億円(県の6月補正)
[2017/6/2 千葉版]
森田健作知事は1日会見を開き、29年度6月補正予算案の概要を明らかにした。経常的経費を中心に骨格予算として編成した当初予算に、政策的判断を要する経費や新規事業、投資的経費のうち新規着手分などを追加する「肉付け予算」とするもので、一般会計の補正額は964億3300万円。千葉県社会福祉センターを建て替えることに決め基本設計に債務負担行為を設定したほか、農林総合研究センターの新本館建築に工事費を計上。病院事業会計では、がんセンター新棟の建設工事に債務負担行為を含め約255億6500万円を確保している。
6月補正後の一般会計の規模は1兆7261億6100万円となり、前年度当初の1兆7139億円と比べ、122億6100万円(7%)の増。一般会計に財政調整基金、流域下水道事業、港湾整備事業、土地区画整理事業の特別会計、病院事業企業会計の資本的支出の補正分を加えた予算総額は2兆9334億9200万円となっている。
一般会計では、子育て支援や医師・看護師確保など、喫緊の課題に対応する事業、産業の振興や道路ネットワークの整備など今後の県の発展に不可欠な事業をはじめ、「医療・福祉の充実」「くらしの安全・安心の確立」「農林水産業の振興と社会基盤づくり」など各分野にわたり、「くらし満足度日本一」の実現に向けた事業費を計上している。
投資的経費については、公共事業等において新規着手箇所分の予算や、新たに民間保育士の給与改善のための補助金などにより、378億5800万円の普通建設事業費を計上。内訳は、補助事業280億700万円、単独事業98億5100万円となっている。
農林総合研究Cの新本館
延べ5700平方mに31億円
がんセンター(千葉市中央区仁戸名町666-2)の施設整備事業(病院事業会計)では、新棟建設工事に12億8200万円を計上したほか、債務負担行為243億6100万円を設定。31年度のオープンに向けて建設工事に着手し、31年度のオープンを目指す。
新棟建設と既存病棟改修の対象延べ床面積が約5万6000平方mで、日建設計(東京都千代田区)が実施設計を担当。新棟オープン後は3年間程度で、既存病棟の解体・改修工事を計画している。
農林総合研究センター再整備事業では、新本館建築工事に31億1451万9000円、工事監理等業務委託に3650万4000円を確保。29年度に着工して、31年度の供用を目指す。整備場所は本場敷地内(旧芝草ほ場)。
分散する既存の10施設を2階建て1棟に集約して建て替えるもので、RC造2階建て延べ約5730平方mの構造・規模を計画。設計は、安井建築設計事務所(東京事務所・東京都千代田区)が担当。
千葉県社会福祉センター整備事業には建て替えの基本設計に限度額3400万円の債務負担行為を設定。30年2月ごろから委託に向けた手続きを進め、30年度に契約する見通し。30年度に基本設計、31年度に実施設計を完了させ、32~34年度で工事を進め、34年度中に供用開始する。
既存施設の規模は、RC造5階(塔屋2階)建て延べ約3790平方m。耐震性能が不足することから、社会福祉活動の推進や災害時のボランティア活動の拠点としての機能を強化するため、建て替えることに決めた。建設場所は現在地(千葉市中央区千葉港4-3)で検討を進める。