将来託せる建設業へ 地元業者の「真の姿」PR(千葉県建設業協会)
[2017/5/26 千葉版]
千葉県建設業協会(畔蒜毅会長)は、29年度の定時総会を25日、千葉市中央区のオークラ千葉ホテルで開催し、上程された全4議案を審議した。承認された29年度の事業計画には、若者が将来を託すことができる魅力ある建設業となるため、技術・技能者の育成や人材確保、労働環境の改善に取り組んでいくことと並行し、災害発生時の緊急対応と復旧による地域住民の安全・安心の確保や、地域経済の活性化などに貢献していく方針が示された。
議事に先立つ形であいさつに立った畔蒜会長は、担い手の確保が喫緊の課題となる一方「社会保険未加入対策をはじめ、設計労務単価のさらなる引き上げ、週休二日制の普及・定着、i-Constructionの導入による建設現場の生産性向上などさまざまな取り組みが進んでいる状況にある」と述べた。
畔蒜会長はこの1年で全国的に相次いだ大きな自然災害や、今年3月に発生し、地元を知り抜く会員業者により72時間での埋却完了を果たした鳥インフルエンザへの対応について触れ「このような猛威から住民の生命や財産を守ることは、地方建設業者に与えられた重要な役割の一つ」だとした上で「自然災害対応空白地帯」を作らないため、社会資本整備の重要性とともに、地道な活動を続ける中小建設業の真の姿を県民に知ってもらうことが必要だとした。
地方建設業がその社会的使命を全うするために畔蒜会長は、経営の安定化と人員・資機材の確保、技能・技術の継承が必要であり「公共事業予算の確保は不可欠」で、発注者に受注機会の拡大や、年間を通じた発注・施工の平準化、受注者の適正な利潤確保を訴えていく一方、受注者側もコンプライアンスの順守などで住民らから信頼される存在となるため、地域に貢献する姿勢を一層明確にして行動していかなければならない」と力強く呼び掛けた。
来賓からは森田健作知事が駆け付けあいさつ。災害協定に基づく対応や復旧・復興など同協会が果たす重責をねぎらいながら、あらためて鳥インフルエンザへの対応に言及。「一瞬で準備を整え真っ先に現場入りし、掘削などに当たってくれた」と述べ「県の基幹産業であり、県民のまさしく守り手」だと手放しで称えた。
続けて国会からも足立敏之参議院議員が登壇。「できるだけ建設業の皆さんが仕事がしやすくなるよう汗をかいている」とし、報じられる機会こそ少ないものの、発災時に警察や自衛隊にも先んじて現場に駆け付ける建設業が「未来永劫なくならない」ための努力として、糧となる工事量の確保と、仕事に見合った利益が確保できる環境づくりを訴えていくことに理解を求めていた。
事業計画では、地域社会や公共福祉への寄与として、良質な住宅・社会資本の整備だけでなく、災害時の官民協力体制の推進やボランティア活動の充実などを盛り込んだほか▽行動規範の順守▽国・県への要望活動▽建設産業構造改善事業の推進▽建設業・福祉共済対策の推進▽公共工事労務費調査並びに資材費調査への適切な対応▽建設業に対する暴力団等の徹底排除▽広報活動の推進──などを掲げている。