江尻排水機場を改修 角田の応急対策 計画作成でプロポ 排水能力が62t(阿武隈土地改良)
[2017/5/26 宮城版]
農林水産省阿武隈土地改良調査管理事務所は、国営施設応急対策事業で、角田地区の江尻排水機場を改修する。施設長寿命化計画(案)の作成などを委託するため、25日付で簡易公募型プロポーザルの手続きを公告した。本年度から2年かけて計画をまとめ、31年度以降で改修に着手する考え。同排水機場は、昭和59年から平成7年までの国営かんがい排水事業で角田市江尻巻向地区に造られた。口径2600mmのポンプ4台が備わっており、排水能力が毎秒62t。建屋はRC造平屋978平方mの規模となっている。
改修対象は、ポンプ設備や機械設備、建屋、土台のコンクリート構造物など。今回委託する業務でポンプ設備の模擬運転調査を行い、支障箇所をチェックした上で、改修の範囲や方法を決める。運転停止の不測の事態に備えた対応なども定める。
25日付でプロポの手続きを公告した業務は、件名が「角田地区事業計画補足検討その他業務」。業務内容は▽機能保全計画▽土地所有状況調査▽主要工事計画▽総費用総便益比の算定──の補足・修正や、施設長寿命化計画(案)の作成、点検とりまとめなど。履行期限は30年3月16日。
プロポの参加資格は、東北農政局から建設コンサルタントがA等級の資格認定を受けていることなど。6月5日まで参加表明書、同20日~7月13日に技術提案書を受け付ける。技術提案書の特定結果は7月28日までに知らせる。
同事務所は、地域整備方向検討調査として、26~28年度の3カ年をかけて、角田地区の農業用施設を調査してきた。26年度は事業地区概定調査業務を三祐コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)、27年度は整備構想概定業務を内外エンジニアリング(東北支店・仙台市青葉区)、28年度は調査報告書作成業務を三祐コンサルタンツに委託した。調査対象は現在の営農形態や既存施設の老朽化具合など。
この3年間の調査結果を踏まえ、当面の改修対象施設を江尻排水機場に絞った。今後の国営施設応急対策事業では、不測の事故が発生した場合の二次被害防止に必要な応急対策と、施設全体のリスク把握に向けた調査、補修・補強までを進める。