国道349号を改良へ 丸森町の5.8km 東北整備局らと工法検討(県)

[2017/5/24 宮城版]
 県は、伊具郡丸森町大張川張~耕野地区の国道349号を道路改良するため、早ければ来月にも国土交通省東北地方整備局の職員や専門家を交えた検討会議を立ち上げる意向だ。県管理の国道だが、道路沿いの山の地盤が固く、仮に付け替えとなれば高度な工法が求められ、国の技術的なアドバイスが必要になるため、同局にも検討会に加わってもらう。事業化の前段階で国が県管理の道路整備に関与するのは全国的にも珍しく、モデルケースとして注目が集まる。

 349号は、茨城県水戸市を起点に、福島県の阿武隈山系を縦断しながら柴田町までに至る全長約260kmの国道。未改良となっているのは丸森町の延長5.8kmと、福島県側の延長2.4km。丸森町内の現道は、片側が阿武隈川の右岸に接しており、反対側には山が切り立っている。

 現道幅員は最も狭い区間が4m程度で、車両の交互通行も困難な状況。川と山に挟まれてカーブのきつい箇所もあり、線形が悪いため、沿線の自治体からは以前より改良整備が要望されている。

 丸森町や柴田町、角田市らで構成する国道349号建設促進期成同盟会の要望書では、丸森町の未改良区間について、国道4号・東北自動車道のう回路としての機能が果たせるよう早急な改良整備を求めている。

 県はこうした経緯を踏まえ、一般国道349号丸森地区防災安全対策検討業務を委託するため、18日にアジア航測(仙台支店・仙台市青葉区)と860万円で見積り合わせした。同業務の履行期間は10月31日まで。

 同業務では、現状でどのような危険があり、どのような安全対策が効果的かを検討する。県はシンプルな対策としてトンネルを掘って真っすぐな道を造ることを挙げているが、一方でコストや工期がかかるとの見方を示し、より現実的な工法を探るとしている。

 東北整備局はすでに、丸森の349号を対象に「宮城県や有識者からなる協議会に国も参加し、防災・安全に関する検討に対して助言するモデル的な取り組みを実施」すると公表しており、場合によっては直轄権限代行で道路改良する可能性も視野に入れている。

 なお、柴田町では349号の白幡橋に関して、片側1車線で幅員が狭く、昭和13年に架設されて老朽化が進んでいることから、早急な架け替えを望んでいる。同橋は橋長168mで、白石川に架かっている。角田市は同線の一部区間で歩道整備を要望している。

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